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ガンコな便秘解消のコツ

慢性便秘の私が腸閉塞をきっかけに奮起し、毎日排便できるようになるまでの記録。


腸閉塞と診断される
5日も排便がなく、その日も朝からずっとトイレで唸っていた。どんなに息んでも出る気配がなく、息みすぎて肋骨の筋肉が痛い。ふと気付くと尿意があるのにオシッコも出ないではないか!さすがにヤバいと感じ、お正月の救急病院に駆け込んだ。

病院で浣腸をすれば出るだろうと安易に考えていたが、浣腸を注入して便意を催しているのに出ないという最悪の事態に陥った。腸閉塞と診断が出てから受入れの病院を紹介され、あれよという間に入院の運びとなったのだった。お恥ずかしい限りだが、私は腸閉塞を知らなかった。便秘で入院することになるなんて…
 
直腸に詰まった便は頑固だった。看護師が肛門に指を突っ込んで便を掻き出してくれるのだが、奥の方まで硬い便が詰まっており途中で断念。あとは座薬や下剤で出すことになった。オシッコのほうは尿道に管をつけて排出、ひとまずピンチを凌いだ。尿の閉塞は、溜まった便で尿道や膀胱が圧迫されたのが原因と思われる。
それにしても、何の躊躇もなく他人のウンチをつまめる看護師さんには感服する。

内視鏡検査で分かった腸の形
入院中に大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を受けた。検査の結果、肛門から直腸付近は硬い便が張り付いていたため炎症を起こしているが、中のほうはきれいでポリープなどの病変はないとのこと。ただ、私の大腸は長く、通常の四角い形ではないため、便が詰まりやすいのだそうだ。口頭で言われただけなので実際の形はわからないが、「ねじれ腸」や「落下腸」のような類のものだろう。

退院しても続く便秘
絶食から始まり、内視鏡検査で腸の中をカラッポにした後は、徐々に病院食の量も増えた。しかし、まったく便意を催さない。酸化マグネシウムやモビコール(非刺激性の下剤)が利かず、トイレで息んでも出る気配がない。ピコスルファート(刺激性の強力な下剤)を飲んで下痢便の状態にしないと排泄ができなくなってしまった。
 
医師からは、「便が詰まりやすい腸の形をしているので、詰まらせないことが重要だから、毎日下剤を服用してでも出しましょう。」「これまでのように、自然に排便してスッキリした~という感覚は期待しないように」と言われ、なんだかモヤモヤした気持ちのまま退院の日を迎えた。この先も下痢便しか出せないのか~!?
いいや、そんなの嫌だ。こうなったら自力で便が出せるようになってやる!と心に誓ったのだった。

自律神経にアプローチ

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がある。心身が活発になっているときに優位になるのが「交感神経」で、リラックスしているときに優位になるのが「副交感神経」。腸の働きとの関わりにおいては、交感神経が腸の蠕動運動を抑制したり、膀胱に尿を溜めたりするのに対し、副交感神経は消化や排便・尿意を促進する働きをする。交感神経と副交感神経それぞれのバランスが崩れることで心身の不調をきたす。

そこで、自律神経を整えることから始めることにした。

カイロプラクティックに通ってみた
背骨が歪んでいると背骨に並んでくっついている自立神経が機能しなくなる。カイロプラクティックで、骨盤や背骨の歪みを矯正し、自律神経の働きを正常にする。
➀低周波通電でツボを刺激する治療、②筋肉のコリをほぐすローラーベッド、③専用ベッドでの施術がワンセットになっており、はやくて4回の通院で効果が得られるとのこと。
私は7回通院して一通りの治療は行っていただいたが、便秘の改善はなかった。1回6,000円の施術料はバカにならないので通院を終了することにしたのだが…
なんと、それから3日後に自力での排便ができたのだ。
 
お喋りが上手な先生で、施術中に色々とアドバイスをしてくださり、お金をかけてカイロプラクティックに通った効果はあったと実感している。
 
また、自宅でYouTube配信動画の「自律神経を整えるヨガ」などもやってみた。ヨガの呼吸法はリラックス効果があり、これもなかなか良い。

体をひねったり、ゆらしたりする運動を!
ねじれ腸でも日常的に運動をする人は便秘になりにくいそうだ。テニスやゴルフ、フラダンスやベリーダンス、ヨガのような体をひねる・ゆらす運動が有効とのことだが、私は運動全般が苦手だ。特に球技やダンスの才能がゼロなのだ。
ただ一つ、私にも続けられる運動がある。それはラジオ体操!
ラジオ体操は体をひねる・ゆらすといった動きがバランス良く含まれている。そこで、ラジオ体操第一・第二を日課にしてみた。
なんとなくやっていても意味がない。全身の筋肉と関節を動かすことを意識することが大切である。

水分の摂取量を増やしてみた
便をやわらかくして、腸内をスムーズに移動させるためには水分が欠かせない。しかし、私はオシッコが近いので、水分を控えるようになっていた。
頻尿について調べてみると、便秘が原因で膀胱の機能が低下することもあるようだ。長年の便秘により膀胱が圧迫され、膀胱に尿を溜める容量が減るため頻尿になったりもするので、頻尿に囚われすぎもいけないのかもしれない。
 
外出中は控えるとしても、家に居るときの水分摂取量は増やしてみた。
・朝起きてすぐにコップ1杯。
・入浴後にコップ1杯。
・就寝前にコップ1杯。
あとは、食事の時に飲むお茶の量を増やす。
最初は一度に大量をガブガブと飲んでいたが、すぐに尿意を催し、尿として排出されてしまう。だから水分を体内に吸収するには、少量をこまめに摂取することが大切なのだ。
 
お茶やコーヒーは利尿作用があるので、摂るなら真水の方が良いというが、私は味のついている飲み物の方が好きなので、真水にこだわらず無糖のお茶や麦茶にしている。

便秘薬の力を借りて
医師の指示のもと、酸化マグネシウム(非刺激性の下剤)を朝食時、夕食時に服用している。
下剤を服用しなくても排便できることが本当の便秘解消といえるのだが、腸閉塞になって便が出ない苦しみを味わってしまったので、今後も服用は続けるつもりだ。下剤を毎日飲まなくても出せるようになるかどうかの試みは行っていきたいと思う。

酸化マグネシウムは非刺激性成分の塩類下剤である。腸内で浸透圧によって水分を引き寄せる働きがあり、便が柔らかく膨張することで腸がやさしく刺激され、自然に近い排便を促す。腹痛を起こしにくく、クセになりにくいのが特徴。

食物繊維は摂ればいいというものではない?

食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」がある。
不溶性食物繊維は、便の体積を増やし腸を動かす働きがある。水溶性食物繊維は、便を柔らかくする働きがあるので便をスムーズに排出しやすくなる。
不溶性・水溶性のどちらか一方を摂取するのではなく、両方をバランスよく補うことが大切である。

50代になってから体の不調が増えてきた。更年期障害の症状改善には大豆イソフラボンが良いといわれるので、食物繊維なら大豆製品から摂りたいと思い、お腹が空いたらおやつ代わりに煎り大豆(節分に撒いたり食べたりする豆)や、ヨーグルトにきな粉をトッピングして食べたり、食事代わりに蒸かしたサツマ芋を食べていた。食事の内容を手帳に書き留めているのだが、芋や大豆を食べた翌日に便が出でいないことに気づいた。
不溶性食物繊維を摂りすぎているのだろうか?
 
それからは、水溶性食物繊維だけを意識することにした。水溶性食物繊維を多く含む食材、フルーツならグリーンキウイやイチゴ、海藻類ならモズクやメカブのいずれかを毎日の食事で摂取している。両方の食物繊維をバランスよく含む「もち麦」を混ぜて炊いたご飯も取り入れている。
また、ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品も積極的に摂るようにしている。
 
酸化マグネシウムと併せて、水溶性食物繊維を意識して摂るようにしてから「便がでない日」が減り、硬すぎず緩すぎない普通の便が出せるようになってきた。
酸化マグネシウムを服用せずに便が出るかも試してみた。便は出るが、硬くて出しずらい感じがする。

トイレに座るときの姿勢が肝心
ロダンの考える人のポーズが理想的な排便の姿勢だと言われている。肛門と直腸の角度の問題らしい。考える人のポーズのような前傾姿勢になると、その角度が緩くなり、スムーズに排便できるという仕組みだ。

姿勢と直腸肛門角の変化

私も実践してみたが、うんともすんとも言わない。途方に暮れて天井を見つめていたとき、直腸に便が降りてくるような感覚を得た。前かがみではなく背筋を伸ばした、いわゆる椅子に座るときの正しい姿勢をとると良いのかもしれない。何故、長年この排便姿勢に気づかなかったのだろう?
 
もともと私は猫背で、正しい姿勢を意識したことがなかったのだが、ここ数年で姿勢の悪さを原因とする体の痛みを感じるようになり、整形外科でリハビリを受けていた。これは猫背改善の効果だろうか…
 
考える人のポーズは一般的な排便に有効な姿勢かもしれないが、腸の形は人それぞれ。排便しやすい姿勢も人によって異なるということなのだろう。

排便のタイミングを脳に覚えさせる
便意がなくても毎日決まった時間にトイレに入り、前述したように、自分が排便するのに有効な姿勢でしばし便座に座る(5分くらいは座っている)。直腸に便が降りてくる感覚を脳に覚えさせることが大切。私は朝食を食べ終えた30分~1時間後くらいをトイレタイムにしている。

おわりに
これまで2~3日便通がないのはあたり前だった。便が詰まったら浣腸して出せばいいくらいに思っていたが、腸閉塞になって便秘を放っておいてはいけないことを痛感した。
ちなみに、腸閉塞の既往があると健康診断の胃の検査でバリウム検査を選択できなくなる。バリウムが腸に詰まる恐れがあるからだ。私は胃カメラが苦手なので大変ショックを受けている。後の祭りだ。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
約一年かけて便秘と向き合った結果、毎日排便できるようになったいきさつを記録してみました。
私と同じようにガンコな便秘で悩んでいる方のヒントになりましたら嬉しく思います。

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