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【読書】眠れぬ夜に……句点について考える小説。

今年の夏も暑った。

暑くて眠れないというわけではなくて、ただ眠れない夜だったと思う。

無造作に積み上げた本の中から一冊を手に取った。

横になりながら読むには文庫がいい。軽いし、読むのに時間もそうかからない。

それで、その本の名は『白河夜船』(吉本ばなな、新潮文庫)だった。


(引用)「はい、山岡です。」

本文中には、上記のような会話文がよく出てくる。読み進めながら、私には展開される物語よりも気になって仕方がない事が出来た。


それは何かと言うと、「句点は終じ括弧の前に付くんだったっけ?」……という疑問。


調べてみた。

結論としては、どちらでもいいみたい。

新聞などの一般出版物では入れないのが普通で、公用文や教科書などでは入れるらしい。


◯参考◯

257. 閉じカギ括弧の前に句点を入れる/入れない(『組版コラム』文京組版)


「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」(『毎日ことば』校閲記者ブログ)


新聞などは文字数を確保する為や、読みやすさの点も考慮して、閉じ括弧の前には句点を付けないとの事。

例えば、

”彼女は「だって、知らなかったんだ。」と言う。”

のような句点が続く文章は見た目にも悪いし、なんだか煩い。

しかし、文章としては、文末に「。(句点)」を付けるのはルール。教科書はルールに則っているので、正解と言えば、こちらか。

ちなみに、括弧前に「、(読点)」はつけないのも決まっているそう。


文章を仕事にするつもりの場合は、この辺はナーバスにならないといけないだろうと思う。

句読点のルールが判明してからは、安心して物語の世界に浸る事が出来た。微睡の中を彷徨うようなストーリーは、眠りに誘ってくれそうだ。素直に眠たくなってきた。


眠れぬ夜には、小説を読みながら、文章ルールを学ぶというのも乙なものではないでしょうか。

乙/おつ『語源由来辞典』


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