キミが家にやってきた日。
娘の成長の記録を書き留めたB6サイズのノートをめくると、「二歳半。太陽戦隊サンバルカンの歌を上手に歌う」と書いてある。
三年ほど前。誕生日の前日の夜に、娘と並んで自転車で、微かな雨が降る中を走っていた。絹糸を細かくしたみたいな雨足が、大通りを通り過ぎる車のヘッドライトに照らされていた。
翌日の私は所用で割と遅くまで外出する予定だった。家に着く頃には夕飯もお風呂もすっかり済んでしまっている。せっかくのお祝いの日なのに一緒に過ごせる時間が少ないので、
「前の日にどこかへ食べ