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「あの子は貴族」と私のお金持ちコンプレックス
「あの子は貴族」という本がある。映画化もされていて、結構有名だ。
東京生まれ東京育ちのお嬢様が地方生まれの女の子と関わる中で成長していく物語。最近やっと原作を読めたのだが、やっぱり心に来た。
私には東京コンプレックスがある。東京の大学に通いはじめてからそれが爆発した。それまでは地元にずっといたから意識すらしたことなかった。
みんなキラキラしている…背が高くて、垢抜けていて、お嬢様みたいな服を着ている。よく海外に行っていて、頭ももちろんいい。親もお金持ちなことが多くて…私はついていけなかった。いや、コンプレックスでついていくことに必死になってた。マナー本を買ったり、身なりを取り繕ったり、姿勢を気にしてみたり、いろいろやった。
取り残されたくない…いや、追い越されたのが怖かった。今まで周りにレベルの低い人しかいなかったから、それで優越感を保ててたってのもある。
それが壊れた。
初めて自分が底辺になって、自己を肯定するものが消えてしまった。支えるものがないから、メンタル崩壊して鬱になってしまったのだ。
あまりにも脆いメンタルに思わず笑ってしまう。
別にみんなについていく必要はないのだ。自分に必要なことを必要なだけすればいい。それなのに無理にみんなに合わせようとして…馬鹿みたいだ。
どうしても他人と比べてしまう。自分を肯定するために人を下に置かないと安心できない。その性格の悪さも鬱の原因だと思う。
人間ランキングがあったら私は何位だろうか。多分真ん中くらいなのかな。
下には下がいる。上は見ないで今までみたいに下だけ見てた方が幸せなのかもしれない。
貴族に生まれたかった。お金持ちの生活がしたかった。それは今の生活があるから出てくる欲望なのだけど、上の生活を求めてしまうのはやはり人間らしいと言える。もしかして正常な反応?そしたら自分を受け入れられるかも。
上を知らなかった昔は幸せだった。あの頃はお金持ちはフィクションだった。でも成長するにつれてお金持ちという存在が現実になっていく。比較ができる存在になったのだ。
それは幸せなことなのかもしれない。だって周りにお金持ちがいるってことはお金持ちが暮らす土俵に自分も上がってきた証なんだから。そこで振り落とされようが努力で同じステージに一瞬でも立てたという事実は変わらない。
だけど、やっぱりきつい。
松濤なんかに行ったら過呼吸で死んでしまうだろう。あそこは比べてはいけない世界なのだから。