やばいぞ!ファンタスティックコント~自動車教習所の教官は命がけ編~
① 生徒になった先生
自動車教習所の一番厳しい教官が定年しました。
元教官は、生活のためにバスの運転手になろうと思いました。
大型二種の免許を取ることにしました。
なれている勤めていた教習所に、申し込みに来ました。
顔見知りの大型二種の教官が、尋ねました。
「定年したばかりじゃない。どうしたの」
「今日から生徒なんで、よろしく」
教官は、腕まくりしました。
「うちは厳しいよ。わかってるよね」
「ほ、ほかの教習所に、行こうかな」
② 教官の贈り物
教習所を卒業した生徒が、お礼に来ました。
生徒はお世話になった教官に、報告に来ると約束していたのです。
「先生、ありがとうございました。運転免許を取れました」
生徒は『仰げば尊し』を歌い始めました。
音痴でした。
教官は手作りの卒業証書を渡しました。
字が下手でした。
③ 教習所の中で事故対応
今日の教習は車庫入れです。
「はい、車庫に入れまあす」
どすん。
脇の教習車に角をぶつけてしまいました。
「す、すみません」
生徒は真っ青になりました。
教官が冷静に尋ねました。
「ここで問題です。事故ったら、まず最初に何をやりますか」
生徒は教科書を開きました。
④ 危ない生徒
生徒が運転しながら、教官に笑顔で営業。
「生命保険の代理店をやっております。ぜひ先生もお入りください。危ない生徒の教習も安心ですよ」
教官の声。
「前を見なさい」
⑤ 事故を起こした生徒の卒業
教官「車を買うんだろ。もう事故を起こすなよ」
生徒「はい、保険は、めいっばいの条件で入りますから万全です」
⑥ 教官の特訓
教習所の教官強化合宿は地獄だ。
あまりの厳しさに、生徒になった教官がぼやきました。
「とほほ、へまばかりだ」
教官の教官が一言。
「合宿所の卒業試験に合格できないと、娑婆には出れねえぞ」
⑦ ずっとゴールド免許
「ゴールド免許になったぞ。教習所を卒業してから、一度も運転してないからね」
⑧ 金メダルにこだわる銀メダリストが七十歳に
ゴールド免許の元オリンピックの『銀』メダリストが、運転免許の更新で高齢者の自動車教習を受けました。
シルバーマークのシールをもらいました。
車に貼らねばなりません。
「ゴールドマークがほしいな」
涙声でした。
⑨ ゴーカートとは違う
仮免許の講習か終わりました。
生徒は汗だくでした。
教官がぼやきました。
「命がいくつあっても足りねえよ」
生徒はゴーカートの選手でした。
「つい、抜きたくなるんもんで」
⑩ スピードメーターは、どれですか
教習車で仮免許の教習。
外の通りを、教習車は飛ばしています。
教官「今、何キロ出ていると思うかね」
生徒「もちろん、30キロです。制限速度通りです」
教官「君の見ているのは、タコメーターだよ」
⑪ 教官の妻
休日。教官が家族を乗せて、ドライブをしました。
助手席で、奥様がうるさいのなんの。
「はい、右見て左見て、はい、スタート。対向車に気を付けてね。はい、ここは一時停止」
「お前、そろそろ運転免許を取ったらどうだ」
⑫ バイクの運転を教えて
俺、今日初めて、教習所でバイクに乗るんだ。
教官が来た。
キーを渡された。
「君、このバイクに乗って、花壇の先の専用練習場で待っててくれ。時間がないから急いでな」
教官は忙しそうだ。
バイクで、他の生徒の所に行っちまった。
さてと、キーをどこに差し込むのかなあ。アクセルとかブレーキとか色々あるんだろ。クラッチって何だっけ。まっいいか。とりあえず、またがってと。お、キーを入れる場所はこれか。ひねって、エンジンスタート。
さあ行くぞ。ギアを踏み込んで。
俺は花壇の中にいた。
天国は近い。
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