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なぜ書くのか。書くことの意味は何か。

1 心の漂流

 大海原にイカダが浮かんでいて、そのうえで寝ころんでいたとします。
 毎日、日向ぼっこで、とても気持ちいいでしょう。
 海の上で、流されるままにイカダの上で気楽に暮らしているだけです。一応、衣食住がそろっていれば、イカダは自分の居場所です。
 何も望まなければ、何も起こらない。求めなければ、失望もない。一人ぼっちでいれば、どこにも気を使わなくてよい。
 どこに流されていくのかは、考えるのが面倒くさいし、今は何も困っていないのですから、このままでいいのさ。
 ずっとずっと、永遠に。

2 漂流の危機


 ところが、この気楽な生活は、いつまでも続かないですよね。
 イカダの中では、衣食住のストックは尽きてしまいます。
 海は勝手に荒れ始め、寒くなったり熱くなったり、強風が吹いたり、雨が降り注いだり、ついには嵐になったりします。
 望んでいないのに、内から外から、辛いことがやってきます。
 「ほったらかしに、しておいてくれよ」と、いいたところです。それなのに、このままだと、何もしていないのに辛くなっていく。
 あのお気楽な生活は、長くは続かないことを思い知らされることになります。「人生は苦だ」というけれど、楽していても苦になってしまう。これが現実です。
 こうして、やっかいな事態が発生しては、心の中で「やばいぞ、どうしよう」という思いが湧いてきたりします。
 ついには寝ころんでいたイカダさえも、傷んで修理が必要になったりしてきます。イカダも直さなければ、壊れていくのです。

3 どうするのか


 困れば人は考えます。
 どんなに恵まれていても、どうしようかと思い始めたその瞬間から、様々なものが必要であることに気が付きます。
 海流はどうなっているのか。海図はあるのか。ここの場所は何処か。無線機はあるのか。天体観測で場所を特定できるのか。羅針盤はあるか。近くに島はあるのか。望遠鏡はあるか。港はどこか。航路はどうなっているのか。
 どこに行けば何があるのか、知りたくなります。
 救援を求められるのか。自分で漕いでいけるのか。帆を上げて風を利用できるのか。釣りの道具はあるのかと。
 まあ、色々なことを考えます。考えなければ、衰弱していくだけです。
 時間は止まってくれません。イカダもいずれバラバラになってしまうでしょう。生き延びるためのサバイバルが始まってしまいます。

4 多くの選択肢

 こうして、どうしたらいいのかと、検討が進みます。
 思索の中で多くの選択肢があることを知ります。どのような道を選ぶのかは自分次第です。このことが、自分を発見することにもなります。
 追い詰められて、本心ではなくても、選ばざるを得ない場合もあります。たとえ逃げても、危機は変わりません。
 自分の現実に目をつぶって、ほっておいても、どちらにしても前述したように追い詰められていくだけです。
 やはり、人生の危機の前で、誰でも選択が必要になります。
 こうして、自分が選択するために、自分の生き方のもとになる「自分の考えは何か」という自問自答が始まります。

5 連続する決定

 ささいなことから、大きなことまで、決定する人生が始まります。
 どんな方も、意識、無意識のうちに、選択しては決定する毎日です。トライ&エラーに取り組み続けるわけです。
 イカダの木をはがして、釣り竿にしたり、星空から場所を予測したり、望遠鏡はなくても、水平線に陸地がないか、探し続けます。
 360度、東西南北、進む道があるのなら、方針が必要です。
 そんなとき、日記帳でもあれば、自分の考えをつきつめては、深め、道を見出そうと、書き続けることができるでしょう。

6 サバイバルとは

 人生のサバイバルは、いつでもどこでも、始まります。
 この記事は、まあサバイバルを前提にした極端な設定のもとに理論展開しています。あいまいさを排除しようとした次第です。
 さあ、人生がサバイバルだとして、生き延びるためには、考えて行動することを死ぬまで続けることになるでしょう。日々、判断し、決断し、行動する。そんな自分とは何か。自問自答が始まることになります。

7 言葉はアイデンティティー


 自問自答の中で、自分の人生は自分の心次第だいうことに気か付きます。人と比較しても参考になりません。
 自分と社会との関係は相対的でも、自分を見つめることは絶対的な自分との関係です。
 自分の心の中に、言葉とイメージとエネルギーが詰まっているとしたら、結局、書くこと、語ること、言葉で考えることに、なります。
 すると、自分のアイデンティティーを言葉の中に見出すことになるでしょう。人間は無自覚な本能だけの生き物ではないのですから。
 自分の言葉で語り、書くこと。その先に、生き抜く自分の道があるとしたら、人生の本質がサバイバルなら、なおさら書いて自分を見つめることが大切になります。
 noteには様々な記事が掲載されています。
 どの記事も個性的です。異なります。ただ、どの記事にも、一つだけ共通点があります。
 それは書くことで「自分を見つめている」ということでした。
 ということで、各記事から受けた感想から、逆算してサバイバル的な理屈から書くことの意味を展開してみた次第です。


 

 




 
 


 
















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