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「コンテンツ制作におけるUXデザイン」について登壇してきた&補足 #AE_OFF

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AEオフ2019というイベントに参加してきた

AEオフという、AfterEffectsを始めとする映像制作ツールを使うクリエイターや学生さんが集まる「勉強会・交流会という体裁のクリエイティブエンターテイメントショー」が毎年開催されています。
このイベントの人気っぷりは、300席近くある予約が一瞬で埋まってしまうことや、#AE_OFFという公式ハッシュタグが日本のTwitterトレンド一位に入ってしまうところからも伺えるかと思います。

そんな大人気イベント「AEオフ」に設定されたライトニングトーク(参加者が5分間好きなネタを発表できる枠)に応募したところ、なんと選考に通ってしまい、そこでUXデザインについてお話してきたので、それについて今日はまとめたり補足したりしてみようと思います。

ライトニングトークの内容について

「まとめ」といっても、スライドの内容とYoutubeのアーカイブを見てもらえばと思うのですが、かんたんに資料の流れを言うと

・ひわいさんの自己紹介
・UXデザインってなに?&ものづくりのフローの再確認
・UXデザインの具体例
・映像制作におけるUXの例

この4つについてお話をしました。

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そもそも「ものづくり」においては、
①企画→②設計→③制作→④リリース
の4つのフローがあるけど、最初の「企画」のところでコケると
後工程が全部台無しになるよ。

だから「企画」が大事だし、そこで「UXデザイン」って考え方をするとうまくいくと思うよ、というのが今回の発表のメインテーマでした。

UXデザインというのは、ユーザーが本当にほしい体験は何かを考えて設計すること、という風に(噛み砕いて)説明しました。
ユーザーが本当にほしいのはモノではなくそれによってもたらされる体験である、という考え方ですね。

幸いにしてなんとか発表は制限時間内に収まり、見ていた人からの反応聞く限り、ためになったという人が結構多くてホッとした次第です。

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今回のライトニングトークのUXデザイン

そもそも「ものづくりには企画が大事」「企画にはUXデザイン」というを話しをしているわけですから、当然ながら今回の発表についても「企画」と「UXデザイン」を行いました。

今回の発表で主にターゲットにしたのが「映像編集を頑張ってるつもりなのに、十分な評価をされていない」という不満を抱えているクリエイターの皆さんでした。
そして彼らへ提供する体験は「映像制作は映像編集ソフトを触ることだけではない」という視点、つまり「ものづくりについての『よりマクロな視点』」への気づきでした。

というのも、映像クリエイター同士の映像制作についての議論をみるに「映像編集ソフト上でどんな技術が使われたか」「どれだけリッチなビジュアルを提供できたか」に注目が集まりすぎており、それがユーザーの求める体験と乖離しているのではないか?と自分が長らく考えていたためです。

自分は「人を感動させるのに、リッチなビジュアルは必ずしも必須ではない」「重要なのはストーリーやメッセージである」と考えています。なぜなら
・ストーリーやメッセージを伝えるための手段としてビジュアルがある
・リッチなビジュアルより、想像の余地を与えるビジュアルの方がより深い体験を与える
と考えられるためです。

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原体験

自分が初めて明確にそのことを理解したのは「ポンキッキーズ」という番組で、ブラザートムさんの朗読で「いつでも会える」という絵本の朗読を聞いて号泣した時だったと思います。

それ以降も、自分が感動したコンテンツの多くが、決してリッチなビジュアルではないものの、深い体験・メーセージを与えるものばかりだったように思います。

クワクボリョウタ氏の「10番目の感傷(点・線・面)」では、鉄道模型が描き出す影絵がどんな高度な3Dアニメーションよりも幻想的でノスタルジックな美しい風景に見えて感動して泣いてしまい。
2Dドット絵の古いRPG「MOTHER3」のラストバトルを超える感動が、必ずしも最新のゲームタイトルだから生み出されるとは限らず。

莫大な予算を使ったお笑いバラエティTV番組よりも、落語の一席やラジオ番組(とくに伊集院光や大泉洋がパーソナリティのもの)の方が格段に面白いことも多々あり。ビジュアルのリッチさが面白さに直結しないことは、あの伝説の低予算番組「水曜どうでしょう」が実証したところだと思います。

リッチなビジュアルは絶対的正義なのか?という問い

ビジュアルの表現、映像編集ソフト上の技術やノウハウを共有し合うAEオフというイベントに対して、ある意味正反対の視点から発表してしまったのですが、どうしてもUXデザインについて考えたときにぶち当たる壁のようにも思います。
というのも優れたUXデザインの作品・商品を調べていくと、必ずしも(リッチなビジュアルを始めとした)過剰なスペックを持たないものに多く出会うからです。

たとえば「枯れた技術の水平思考」を未だに持ち続ける任天堂の各種ゲームタイトルや、「カイゼン」を世界に知らしめたトヨタの自動車など。

もちろんリッチな映像表現で攻めるのは正攻法の一つなのですが、今回の自分の発表で取り上げた「UXデザイン」という一つの考え方が「映像編集ソフト上で頑張ることだけが『いい作品』につながるとは限らないかもしれない」という、一つの可能性について考えるきっかけになること。そしてこれが(映像パワーで押し通すにしろ、企画や物語などをしっかり作るにしろ)「がんばったのに報われない」と悩んでいるクリエイターさんの参考に少しでもなれたなら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
またどこかでお会いしましょう!

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