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2023年4月の記事一覧
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書評_あるあるとないないを誰かと話したくなる__傲慢と善良
「あいつが、あいつが家にいるみたい。お願い早く来て、助けてー」と切迫した場面から物語は始まる。何処からどういった切り口でこの書評を纏めるか、に悩むという良い意味で贅沢な小説である。一言の台詞に至る背景や心理描写の精密さが持ち味ともいえる作家・辻村深月。単行本の帯には「圧倒的“恋愛”小説」とある。しかし一口に恋愛小説と言えるのか?“ ”の掛かっている意味は?そんなところを掘り下げるのも面白い読後感だ。 「あいつが家にいるみたい、助けてー」は30代・都内に住む女性真実から婚活アプリで出会った恋人の架に向けての電話である。やがて彼女のその尋常ならぬ状況や、「あいつ」を追って架は様々な人に探偵さながら話を聞きにまわる。推理小説としても頁を捲る速度が早くなる。 一方で「これは傲慢ではないか」「傲慢さと善良さ。」と、幾度となく、タイトルの言葉が文章の中に散りばめられる。少し硬い熟語のこの2つ、天使と悪魔のような反対語のこの形容詞が出没する度に、自ずと読者は内省していることに気づく。自分にもこんなことがあるある、いやナイナイ、と物語を味わうことを超えて自分の内面に問わざるを得ない。そんな意味では人間の身勝手さや、信じたいと思う心など、人と社会を生きていくなかでの心理小説でもある。 他にもジェットコースターのようなエンタメ小説、今の時代を表す社会小説、色々な捉え方ができる。ネタバレするので書けないが、細かいところは読んで確かめてほしい。そして読後登場人物の行動の「あるなし」について、自分ならこうする、など語りあうのも良さそうだ。辻村ワールド、浸かると結構沼かもしれない。 傲慢と善良 (朝日文庫) 作者:辻村 深月 発売日:2022年9月30日 朝日新聞出版
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書評_これを読めば英語ペラペラまちがいなし__英語学習の科学
赤ちゃんみたいに英語を聞けば話せるようになることはなく、大人特有の英語学習方法が体系的に説明されていて非常に納得感がある。どんな英語学習本をも押しのけて断トツのクオリティ。 爆速で英会話を習得したい場合は単語のチャンク学習が最も効果的。チャンクとは単語の塊。確かにチャンクを使っているときは無意識に話しているし、文全体の表現が豊かになる。 英語は3000語あったら話せる。結局余計なことを学びすぎて実際に使うものを学んでいないために、成長を感じずにモチベーションが低下する。中級に来るまでは圧倒的なインプットが必要と主張しているが、個人的にはアウトプットから逆算して単語習得や文法解読をするとより効率的に且つ、短時間で英会話習得が出来ると思う。 ポストコロナになり海外旅行ニーズの高まりとともに英語習得ニーズが高まっている。なんとなく単語帳や文法、またはアプリで勉強するのではなく、自分に合った学習方法を先に理解・会得することでよりペラペラに一直線でいけるではないだろうか。 英語学習の科学 作者:中田 達也,鈴木 祐一,濱田 陽,門田 修平,濱田 彰,神谷 信廣,新谷 奈津子,新多 了,廣森 友人,鈴木 渉,佐々木 みゆき 研究社