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2022年4月の記事一覧
書評_人に与えられたものは_今_しかない__ステートファースト_幸せな成功者になれる_頑張り方_革命
ステートとは、「感情状態」のこと。つまり、「今どんな感じっすか?」ということだ。 日本人の特性として、「生真面目」というものがある。 それは得てして、 「苦しんだ先にこそ成功がある」 とか、 「成功の為には、犠牲や我慢が伴って当然」 といった類いの、あまり「ご機嫌」とは言えない状態を許容することを前提としているのではないか。 著者も、「自分に鞭打って、己を追い込んで成果を出す」ことを成功体験としていた一人であった。 しかし、ドイツ、ベルギーの現地組織に赴任した九年間が転換期となった。 「なんでいつも日本人は不機嫌なんだ? 笑わないんだ?」 「なんで日本人は忙しそうに、いつもフロアを走っているんだ?」 「日本人は遅くまで仕事して、家族はなんとも言わないのか?」 なるほど、思い当たる節もアリ。 日本人から見た彼らは、働かない、根性なし。 だが、自分自身や家族第一主義である彼らからにしたら、我々日本人のことは理解出来ないのだ。 どちらが100パーセント正しいのか、ということではないが、少なくとも著者が彼らから学んだことがある。 それが、良いステート、つまり「いい感じ」でいる方が、集中力が高まり生産性も上がり、行動力が増える、ということだ。 日々幸せなステートでいよう、というのは、「快楽を優先して目標そっちのけ」になれとのことではない。良いステートでい続けることで、行動量を増やすことを意図している。 さて、では、その状態に導くにはどうするのか? 本書は、ステートファーストを誰もが実践出来る様に解説してくれている。 日々良いステートでいれば、人・仕事・お金・情報・運が寄ってきてくれる。 これは、海外赴任時に得た著者の実体験だそうだ。 成果を出すドイツ人の同僚たちは、「常に良い感情、幸せな感情でいる」ことを最優先していた。そこで、「我慢体質」という間違った思い込みに自ら気付いたのだった。 自分の機嫌は自分で取る。 ステートファーストの考え方。 これが貴方の今を変えてくれるかもしれない。 少なくとも、私はなんかヤル気が出たよ! ステートファースト 幸せな成功者になれる「頑張り方」革命 作者:玉本 潤一 発売日:2020年1月12日 メディア:単行本
書評_ある書店が閉店するまでのノンフィクション__傷だらけの店長_それでもやらねばならない_
書店数の推移、2000年には約21,000だったのが2020年には約11,000と約半分に減った。その中の1つに本書の書店も含まれている。時代の波に逆らえず、愚直に本を愛した店長が最後まで抗った物語。忙しかった時期もあったが、近くに大型書店が出来て徐々に客足が遠のいていき、やがて閉店する流れへ。その時その時の店長のありのままのリアルな感情が綴られている。 内容としてはブラック企業で働くサラリーマンの愚痴に近い感じはする。ただ本が好きなのは確かで、書店の品揃えなどはデータに頼らずに今までの経験で行うという職人気質なところがある。本当に好きな事を仕事に選んだのに、人生は上手くいかないものだ。 個人的にはここ20年くらいで書店の在り方も変わってきていると感じる。昔は週刊誌など欲しい本を買うためだけに行っていたのが、今では出会いを求めるような感じで本屋に入る。そこで良い出会いがあれば買って帰るが、不思議と家で読むと、あれ?と思うことはしばしば。人も同じかな? 傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜 作者:伊達雅彦 パルコ