「失敗したくない」という気持ち
小学三年生の三男の話。
三男は、小さい頃から間違えるのが嫌で、習っているエレクトーンも、「こここの音じゃない?」と間違いを軽く指摘しただけで号泣して「もうやらない!!!」ってなったり、テストでちょっと間違えただけで怒ったり、返ってきた答案が100点以外だったら「見せない!!!見ないで!!!」というような子だった。
失敗すること、間違えることが、すごく嫌だったんだ。
小さい頃から、三男が間違ったりできなかったりしたとき、私が怒ったこともないし(怒るとかえって三男の気持ちを立て直すのが大変だから・笑)、誰かと比べたこともないんだけど、まあきっとそういう性質だったんんだろう。
それで、一年生のときから、テストがかえってきたとき、100点だったら見せてくれるんだけど、1問でも間違えると「見ないで!!」だったので、テストのたびに「間違えてもいいんだよ」「間違いがダメなんじゃなくて、間違いをそのままにしておくのがよくないんだよ」「間違いは、そこがわかってないっていうヒントだからすごく大事なんだよ」って言い続けていた。
それから、間違えたところに注目するんじゃなくて、できたところを「この字すごくかっこよくかけてるね」とか、途中までできた問題には「ここまでできてたんだね!」とか、とにかくいいところを見つけて褒めるようにしていた。
それでも、1年目、2年目はあまり変わらず。
相変わらず、間違えたテストは「見ないで!!」だし、解きなおしもしなかった。
でも、何度も何度も繰り返し伝えた結果、今年になってから、少しずつ、間違えた答案でも嫌がらずに見せてくれるようになってきた。
間違えても怒られない、とか、間違えても別にいいのかな……、と思えるようになってきたのかもしれない。
間違えた問題を「ここができなかったんだよね」「わかんなかった」と自分から言ってくれるようになったから、私も、「これは、こうしたらよかったんだね」と一緒に考えたり、「難しかったからできなくてもしょうがないよ」と励ませるようになってきた。
間違えることに抵抗がなくなったのか、昨日は「漢字50問テスト76点だった~」と笑顔で報告があった。
まあそりゃ、できたほうがいいけどね(笑)
でも、今まで完璧にできないとだめだ、と思い込んでいた姿からすると、のびのびして楽しそうに見えた。
最近は、テスト以外でも、自分ができないこと、(例えばアルプス一万尺とかw)も、「できないから一緒に練習しよう」と言ってくれるようになった。
前は、やる前に「できなそう」と思うことは、絶対にやろうとしなかったのに!
「失敗しても大丈夫」と思えるようになったのかもしれない。
何回間違えても、何度も繰り返して練習する姿に(アルプス一万尺だけどw)ああ~成長したなあ、と思った。
この前は「今度、できないことがあったら、また一緒に練習すればいいね」と言った。
失敗を恐れて初めからやらないより、できないことだって練習したらできるかもしれない、と思えたんだね。
そうだそうだ。
できないことがあっても、一緒に練習すればいいし、間違えたことがあっても、またやり直せばいい。
私も失敗するのがすごく怖くて、特に仕事での失敗は何日も落ち込む……
でも、三男を見ていたら、こうして「失敗させてあげられる」環境がすごく大事なんだと思った。
私は大人だから、環境は自分で作るしかないけど(笑)
私も自分で自分に「失敗してもいいよ」「次から気を付ければ大丈夫」と声をかけてあげよう。
失敗しないように、と体を固くするより、安心して失敗できる方がいい。
失敗したら、またやればいいんだからさ。