![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159389293/rectangle_large_type_2_e02d7fae9adeb9264f85282b33c9fdbc.png?width=1200)
「二人一組になってください」木爾チレン ネタばれなし
「卒業式直前、クラスメートを対象に教師が突然デスゲームを始めたら…?」そんな想像を絶する状況に放り込まれた27人の生徒たちが、仲間を信じるべきか疑うべきか苦しむ姿を描く本作。デスゲーム好きとしては読まずにいられません。ゲームの展開とともに、人間関係の複雑さが感じられる一冊です。読んでいるうちに、「本当の友情って何だろう?」と考えさせられるかもしれません。
《あらすじ》
「このクラスには『いじめ』がありました。それは赦されるべきことではないし、いじめをした人間は死刑になるべきです」
とある女子高の卒業式直前、担任教師による【特別授業(ゲーム)】が始まった。突如開始されたデスゲームに27人全員が半信半疑だったが、余った生徒は左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げる。
自分が生き残るべき存在だと疑わない一軍、虚実の友情が入り混じる二軍、教室の最下層に生息し発言権のない三軍――。
本当の友情とは?
無自覚の罪によるいじめとは何か?
生き残って卒業できるのは果たして誰か?
おすすめポイント
この物語の最大の魅力は、緊迫感のあるデスゲームと「いじめ」というテーマの融合です。教師が仕掛けた「特別授業」により、友情や信頼といった普段は当たり前に見えていたものが激しく揺さぶられ、物語の展開に合わせて登場人物たちの本性が次々と露わになります。さらに、ゲーム内で明かされる生徒たちの隠された過去や人間関係も読みどころの一つです。物語の勢いが素晴らしく、最後まで一気に読ませてくれます。
ゲームのルールに工夫が凝らされているため、最後まで誰が味方で誰が敵になるか分からない緊張感があります。ルールに少し不明点やあいまいさが残っているため、読み進めると解釈が変わる部分もあります。
また、このデスゲームを通じて問いかけられる「本当の友情」と「無自覚の罪の重さ」というテーマも深く、それぞれのキャラクターがどのようにこの状況に立ち向かい、自分や他人の罪と向き合うのかも見どころです。一軍・二軍・三軍という表現もあるように、学校には必ずカーストが存在します。自分自身がどのカーストに属していたかによって、共感する場所や感じる内容が違ってくると思います。
生徒数が27人と多く、1人1人を説明しようとしているので、もう少しページ数を増やして各生徒の背景や内面が掘り下げられていたら、より良かったかもしれません。
まとめ
「デスゲーム」というスリリングな舞台で「いじめ」や「友情」というテーマを扱っているため、単なるデスゲームを超えた面白さがあります。生徒たちがそれぞれ抱える過去や人間関係が表面化され、表面的な友情や信頼がいかに揺らぎやすいかが実感させられる、おすすめの一冊です。
最後に、本書へのリンクとデスゲームやゲームバトルで面白かった本も紹介しておきます。
いいなと思ったら応援しよう!
![ひつじ@投資とAI](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158923427/profile_2c4d383373ea6ef804c6dc5a339ecc54.jpg?width=600&crop=1:1,smart)