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12歳に教わる

 久しぶりの休日。午後の家事を片付けて、夕方まで、少しだけ何でもない時間ができた。
「あまり時間ないけど、絵でも描こうかな〜
でも最近全然描けないんだよね〜」
などと誰に言うでもなくつぶやいていたら、部屋でゴロゴロと漫画を読んでいた息子(小6)が何故か、歌うようにレスポンスを返してきた。

「好きなものを描けばいいんだよ〜自由にやればいいんだよ〜♫」

 なんだ?こいつ?唐突だな(笑)
「実はねえ、もうすぐ最推しのお誕生日なんだよね。だから何か描かなきゃって思うとね...」
もちろん7割独り言のつもり。息子に分かるわけないやと思いながら、つい本音が出た。

「それは、ママ、人に見せるからだよ。人からどう評価されるか気にしてるから描けないんだよ。」

 漫画だったらガーン!って効果音、驚きで目が点か白、ドリフだったら空から大タライが落ちてくるほどの衝撃。齢12歳に真実を突かれて、頭が真っ白になった。
 正に息子の言う通り。描きたいものを描きたいように、楽しんで描けばいいだけなのだ。それはわくわくして、楽しくてたまらない事のはず。なのに、人の目なんて気にしてるから、描けなくなるんだよって、まさか息子に指摘されるとは!
「なんで君はそういう事を知ってるんだ??」

「俺もさ、よくあるよ。友達の評価とかさ、気になるんだよね。」
漫画をぺらっとめくりながら、ふんふんと鼻歌のように呟く彼(息子)。その大人ぶった物言いに、かんっぜんに(完全に)やられました。
完敗。
息子、すごいわ、成長したなぁ。

 12歳に諭されて、正直恥ずかしさしかありませんが、反面、息子の言葉で肩の力が抜けたと言うか、気持ちが軽くなりまして。
 こうして子どもは親を超えていくのね..と感慨深い気持ちにもなり、親バカは承知の上でちょっと書いておきたくなりました。

 ご精読ありがとうございました。

(トップの絵は息子作「バベルの塔模写」です)

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