インドネシアで『ひとすじ』な人を探してみた!
いつもお読みいただきありがとうございます。『ひとすじ』発起人 兼 写真を撮っている中村創です。
今回は通常のインタビュー記事ではなく、特別編。先月インドネシアを訪れた際に、働く / 続けることに関して新たな気づきがあり、記事にすることにしました。
(最近の特別編:『ひとすじ』のいきさつ)
海外でも取材&撮影したい
2024年7月、インドネシア人の友人の結婚式参加のために首都ジャカルタに行ってきました。
今やっている『ひとすじ』の海外編もできたらいいなとボンヤリ思っていたので、せっかくならと、50年以上1つの仕事をしている人を探してみることに。
まずは友人にも聞かずに、自力で出会うことに期待して、何日か過ごしていたのですが、そもそもおじいちゃん・おばあちゃんがやっているようなお店にいく機会がなく、見つかりそうもありません。
それならばと、インドネシア人の友人に「今こういうプロジェクトをやっていて、50年以上1つの仕事をやっている人を探しているんだけど、いる?」と聞いたところ、ものすごく困惑した表情で、質問をもらいました。
「50年ってことは、今70とか80ってことでしょ?なんでその年齢まで働いてるの?そんな人、インドネシアにはいないと思ういないと思うよ。」
その時は、「そうか。いないか。日本でもそんなすぐに思い浮かばないしな。」と軽く思っていましたが、データを見ていくと、想像以上に、50年以上1つの仕事を続けてる人がめずらしい事実が明らかになりました。
高齢化社会・先進国日本
実は日本には長く続けやすい2つの項目があると感じています。
まず1つ目にも関わらず、考えから抜け漏れていたのが、平均寿命。
2021年の平均寿命は、日本が男性81.64歳、女性87.74歳で、インドネシアが男性60.67歳、女性75.55歳です。日本とインドネシアでは、男性は約20歳、女性は約15歳も平均寿命に差があります。
参考文献:【コラム】インドネシアにおける死因順位と健康課題
今回取材している方の多くは、70代〜90代で、多くは80代。仮に日本でいう80歳はインドネシアの感覚だと95-100歳くらいの長寿なんだろうと思います。
そもそもの前提として、働き続けられるような健康的な心身がないと、ましてや50年も続けられません。日本には元気なお年寄りが多いのです。
2つ目が平均年齢による人工分布。
2019年のデータにはなりますが、日本が47.4歳に対し、インドネシアは32.1歳。会社で例えるならば日本は経験を積んだ管理職、インドネシアは勢いがある中堅社員といったところ。
ジャカルタの街を歩いているだけでも、周りに若者が多く、人手不足と騒がれている日本とは違う前向きな勢い。
これらを加味した上で、私の仮説ではありますが、そもそも上の世代が下の世代に仕事を譲らざるをえない環境、逆に言えば上の世代が長く続けにくい環境になっているのではないか。続けたくても続けられない。子供も多く、どんどん下に受け継いでいく。逆に日本は人手不足故にむしろ制限なく働ける環境なのかなと思います。
その他にも、家族と過ごす時間の多さや仕事に関する価値観はまた日本とは違っているので、数字には表れていないけど、働き続ける人が少ない理由が別にあるのではないでしょうか。
次は別の国で『ひとすじ』な人を...
今回はインドネシアのジャカルタでしたが、もっと田舎の方に行けば、農業を長年続けていそうな方はいそうな気がしてますし、高齢化社会が進んでいるイタリアやドイツや日本と似ている韓国や中国などで探してみたい。
海外で「ひとすじ」を貫いている人に、日本の「ひとすじ」な人と何かしらの共通項があるのか、それとも違いがあるのか、探求できる機会がこの先にあれば嬉しいです。
これまでにも日本のたくさんの素敵な「ひとすじ」な方を紹介しています。この機会にぜひお読みください!
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