とある日の とある店での ランチのおはなし
「あ〜会議お疲れ様。つかれた〜。もう14:00になるよお」
「マヂムリつかれた」
「めちゃくちゃカレー食べたくない?私行きたいお店あるんだよね~」
「超アリ。え、どこどこ。またいいお店見つけたの?高まる水産!」
「場所はね、五反田からちょっと歩いたとこ。目黒から一駅」
「五反田は初上陸だわ。なんてお店?」
「カレー界隈では有名なお店。それが」
「それが?」
「うどんってお店なの」
「今カレー食べたい、って話だったよね?会議で疲れてタイムスリップしたよ君。未来で待ってる系?ちあきパイセン?」
「飛躍しすぎ。まあ時をかけたい気持ちはっょぃ。じゃなくて、【かれーの店うどん】ってお店なのよ」
「カレーなのにうどんなんだ。名前のインパクトっょぃ。カレーうどんってこと?」
「でもなく、スープカレーのお店みたい。それもスープカレーって言われて想像するような”普通のスープカレー”ではなさそう。見て、このお店のホームページ」
「アッカ………目がやられそう……えっ文章量シュゴイ……なんて書いてあるの?」
「ちゃんと自分で予習したほうがいいみたいなの。とにかく読みながら行こうよ」
「なるほどですか?」
「なるほどですね。なんかお店に入る前からめちゃくちゃビビっちゃうね、こんだけ書いてあると」
「そうね、でもこのお店を存分まで楽しむためのルールブックみたいで面白いよね。逆に言うとこの方法でこのカレーを食べたら、それがここでできるベストな体験になる訳でしょ?」
「ここにも書いてあるしね、”本当にカレー大好きなら、勇気をもってドアを開けて入ってきて”って。そういうことよね」
「競争率の高い業界だからこそ、"是非来て下さい!"なお店が多くなりがちなこのご時世に、”ちゃんとここのカレーが食べたい人だけ来てください!”っていうメッセージ性がある感じ、かっこよくない?」
「推せる。とりあえず代謝オバケの私にとっちゃ、鼻水と汗が出てくるカレーのお店は戦場だわ。箱ティッシュ持ってこ」
「お店のひともびっくりしちゃうからね。まあ要約すると、
①札幌のスープカレーとは別物だと知っておく
②お水を持ってきてもらうまで注文するのを待つ
③自分が食べたいと思ったメニューを素直にオーダー
④ごはんの量はしっかり伝えて残さず食べる
⑤スープカレーとごはんは別々に
このあたり押さえておくといいかもね」
「なんか楽しみになってきた!わたくし、うどん5か条遵守いたします!」
「お、ちょうど看板見えてきたね。行きましょうか」
「メニューたくさんあるね。ちゃんと説明もあって選びやすい。でもやっぱりホームページのチェックは必須だね。わたしは夜カレーのチーズとひき肉トッピングにするわ。ご飯は一応すくなめにする」
「奥でジュージュー言ってるの鶏肉?うわめちゃくちゃ食欲そそられる」
「14:00過ぎるとお客さん少なくてねらい目じゃない?お昼時は並ぶんだろうね」
「おいしそ…スパイスたっぷりなの見た目だけで萌える(死語)」
「鶏肉もゴロっとしてますわ……」
「この鶏肉、スープの中に入っているのに、カリっとジューシー感が伝わる。スープの温度よりも熱いのもすごく好み」
「特筆すべきは、トッピングのスパイシーひき肉。私のひき肉史上優勝かも。味付けが濃すぎず薄すぎず絶妙だし、このスパイスの香りもたまらない。そして辛めのスープのあとに食べるの至高すぎる」
「すごいね…これがうどん式か…あれだけ食べ方が書いてあるのも理解できちゃう」
「いや~ごちそうさまでした。なんかさ、言語化するの難しいけど、もうすでにもう一回行きたくなってない?なにこの感覚。すでに癖になっちゃってる。ちょっと悔しい…」
「分かりみが深い。2日後猛烈に食べたくなってる自分が見えるわ。ちあきパイセンも驚きよ。ぐ~~~絶対また行こう!うどんの店、かれー!」
「【かれーの店うどん】ね。次はもうちょっと挑戦してみよっかなぁ」