それはリアルを超越した本当のリアルめし|ヒトサラ社員のリアルめし
いつもありがとうございます。金曜の志津です。
志津って珍しい名前ですが、日本に約1400人もいるんです。
ヒトサラnote部長の郡司さんも約2万人。
ただ、木曜担当の「しゅく」こと宿坊っていう人は日本で約10人しかいません。超レアな名字なんです。
今回もリアルめしをどうぞよろしくお願い致します。
本来のリアルめしの在り方
私は大学で西洋美術史を専攻し、ダリ、マグリット、キリコで知られるシュールレアリスム(超現実主義)という思想を専門的に研究してきました。
「愛の歌」
ジョルジョ・デ・キリコという画家が書いた絵で、私の大好きな一枚です。関連性の無い物体の集合(後述するデペイズマン)から醸し出される、不思議で少し不安な雰囲気がスリリング。
※正確に言うとキリコはシュールレアリスムではなく、形而上絵画と言われるシュールの前身的な様式の芸術家です。
シュールというと「非現実」「現実離れ」と理解されることが多いのですが、本来は「現実を超えた現実」ということなんです。
今、私たちが見えてるものや感じていることは、その人が持つ固定概念やバイアスの影響を受け、フィルタリングされた現実としてインプットされています。シュールレアリスムは、そのフィルターを取り除いた現実のことを本来の現実としています。それが超現実(現実を超えた現実)なのです。
例えば「虫は食べ物ではない」「虫は気持ち悪い」というイメージがありますが、それらを取り除いた時に、虫はフラットな存在(超現実的な虫)になります。そう考えることで、いろんな可能性がでてきます。そこに食材という選択肢も改めて生まれるわけです。実際nomaやinuaのような超有名店で美味しく食べられています。
前回の記事でも触れさせていただきました。
もう、おわかりですかね。
今回のテーマは
シュールリアルめし。
郡司さん :「今回は絵の話で終わるかと思ってました」
大丈夫です。
ギリ「リアルめし」です。
お店は外苑前にあるAnDi
フレンチ・ベトナミーズという新ジャンル。ベトナム料理をフランスワインとペアリングするレストランです。そこではシュールレアリスムの代表的な技法であるデペイズマンを彷彿とさせる、新しいマリアージュやペアリングを楽しむことができます。
デペイズマンとは、シュルレアリスムの手法の1つ。この言葉は、もともとは「異郷の地に送ること」というような意味であるが、意外な組み合わせを行うことによって、受け手を驚かせ、途方にくれさせるというものである。wikipedia
穴子+パイナップルの生春巻き、日本酒のペアリング
ほうじ茶+ココナッツ+エビなどのサラダ、柑橘系白ワインのペアリング
クレソン+酒粕のフォー、ぬる燗のペアリング
これぞシュールリアルめし。
(ちと強引かwww)
今までに食べ合わせなかった食材と料理、そしてお酒。その新たな味感覚にとても驚き、感動しました。昔から存在する定番の組み合わせだと勘違いしてしまうほど相性抜群で、超うまいのが不思議です。
フランス料理にはフランスワイン。
ベトナム料理にはベトナムビール。
和食には日本酒。
そういう固定概念を取っ払って、ゼロから「何が合うか」を考え抜いたAnDiさん。素晴らしい超リアルめしに脱帽でした。
だから私、これから少し変わってるマリアージュやペアリングのことを、このように言うことにします。
「いや〜この肉は白とデペるのがうまいぜ。」
あとがき
よく、精神的安全性がクリエイティブには必要だと言われますが、それは現実を歪ませて見せるフィルターの生い立ちに関係します。
フィルターは人間や動物が生存するためにある無意識下のプログラムが生み出したものです。
「毒を持つ虫がいる」「熱いものは危険」「犬は噛みつく」など。
安全に生存するためのプログラムが、長い年月をかけて、こういったルールを組み込んできます。その延長に「日本酒は和食と合わせるもの」「パスタはフォークで食べないと恥だ」などの余計なフィルターもあります。
フィルターがあるから私たちは生きていける反面、同じ思考を繰り返し、新しい発想が難しくなっているのです。
職場を精神的安全な環境にすることによって、フィルターが解かれていき、自由な発想や斬新なアイデアが生まれやすくなると言われています。
もっと自由に生きていきたいものですね。
しづのぞみ
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