エッセイ
10代の頃、エッセイが苦手だった。
他人の日常になんの興味もなかった。淡々と書かれている生活の知恵だとか、感じたことだとか、こんな何も変わらないような毎日を生きるのは嫌だとすら思ってた。なんて、若くて、おこがましい。
退屈ですぐに本を閉じた。
それよりも、ページを開くたびに違う世界に迷い込んでいくファンタジーや、謎が深まる度にわくわくするミステリーに惹かれていたし、こんな世界を描ける小説家に憧れていた。
ところが20代も半ばになってきて、どうだろう。
最近手に取ってるのはどれもエッセイばかりだと気づく。
日常の中のちょっとした喜びだとか、思わず唸らされた出来事だとか、そのひとから見た世界はどれも新鮮で、だけど「わかる!」って叫びたくなることが多くて面白い。
他人の日記を覗き見して、勝手に共感してへへへと笑ってるような楽しさがある。
歳を重ねたからなのかな。
扉の向こうの世界じゃなくて、目の前の世界を生きてかなきゃならないって気づき始めたからかな。
どうやって生きていけばいいか分からない、だけど自己啓発は読みたくない。そんなとき、エッセイを開く。
同じように悩んだり、乗り越えながらめいいっぱい日々を楽しもうとしてる姿を見て、生きるヒントと元気を貰う。
読み返す度にあたらしい発見がある。
未だに大冒険も謎解きも大好きだし最高にワクワクするけれど、やっぱりエッセイに戻ってくる。
旅行から戻ってきて、変わらない我が家にホッとする感覚と似ているかもしれないと思った。
いつも励ましをくれてありがとうございます。文章を書いてくれてありがとうございます。
エッセイを読むときはだいたいメンタルがやられている時なので、こんな感じで読んでいる。
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