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綺麗ごと言ってる場合じゃないけど、言いたい気分
「すでに動いている仕組みのなかで立ち回ることで成果を出すことに慣れた人は独立には向かない」
朝日に目覚めて最初に脳裏に浮かんだ。
ハッキリ言って偏見である。
誰か特定の人に対する悪口でもない。
しかし自分の実体験や周りにいる人を見ていて、何となく肌感として思っていることではある。
こんなことが朝一に浮かぶ時点で奇妙な一日だと思う。
そんな僕もちょっと前までは同じようなタイプの人間だった。
最初に入社した会社は従業員1,500人を超える大手のメーカーだし、
2年目の会社は小さいものの毎年右肩上がりに売上が上がり続けているイケイケのIT会社だった。
基本的に何かやりたいことを実現させたり、課題を解決するときは、
「今ある環境を使える」ことを前提に考える。
・会社の実績
・既存の顧客
・他部署や同僚のメンバー
・会社の予算
・優秀な意思決定者
こういったものは、まるで当たり前に授けられる風に無意識に考えてしまう。
イメージ的にはパズルが近い。
決められたピースを動かして試行錯誤することで、
「何かの絵にならないかな?」と頑張る作業。
自分で会社を起業して気付いた。
「ピースは自分で作らないといけない」ということに。
パズルの一番肝であり楽しい作業である「ピースを動かす」ところに辿り着くのに相当な労力を使うことに、なぜ気づけなかったんだろう。
自分で自分が恥ずかしくなった。
それと同時に、独立した人たちへの尊敬の念も湧いた。
「この人たちはこんな大変なことをリスク背負ってやってたのか」
と心の中で敬礼する気分。
さらに同時に「そうと分かったらサラリーマン時代の感覚ではいけない」
という危機感も湧いた。
「覚悟」という精神論はもちろん、
「大企業の会議で話されているようなアイデアでは生き残れない」
という戦略的な観点からの危機感だ。
実はサラリーマン時代から薄っすら独立に興味があって、ビジネス本やビジネス動画で勉強していたが、はっきり言って役に立たなかった。
朝に頭の中で浮かんだ「すでに動いている仕組み」が前提で描かれたフィクションのような内容が多いからだ。
もっともらしいことを学べたが、
・予算1,000万円あったら、、、
・従業員が100人いたら、、、
・有名企業と繋がりがあったら、、、
など高度な「たられば」が求められる。
忖度なく言うと「それが出来たら苦労しないよ」と言いたくなる内容ばかりだった。
残念ながら当時の僕にそんな教養や経験が無かったから、
「なるほど、そうやってやるのか!」とバカの一つ覚えで知った気になっていた。
マジでタイムスリップできるなら、ド突きに行きたい。
意外と同じような罠にはまっている人は多いのではないだろうか。
良くも悪くも日本人は学習意欲が高い民族だから、ちょっとやる気を出せば昔の僕が触れたようなビジネスコンテンツに簡単にたどり着ける。
そしてビジネスコンテンツにお金を払ったり感謝することを厭わない人が多い。
昔の自分に言いたい言葉としては、「そんなもの今すぐ捨てて自分の作業に集中せよ」である。
自分のやるべき事をやり続けられるうちは、そこに時間を費やした方が良い。
想像つくと思うが独立すると、とにかくお金を稼ぐことに必死になる。
会社や個人事業主の共通目的は「利益を作ること」なので、全くもって間違っていない。
しかし人間は感情の生き物だから、どこかで「やるべき事VSやりたい事」の葛藤に突き当たり、自問自答する毎日がやってくる。
多くの場合、「やるべき事」に軍配が上がるのだが、事前に「やりたい事」があって独立した人は相当苦しむだろう。
世間からは嫌われるが「お金大好き」「稼いで豪遊したい」というタイプなら全く問題ない。
僕もそういう動機で独立することに何の異論もない。
一方で僕は前者の「やりたい事」があったタイプなので、残念ながら感情論として苦しんでいる。
そもそも独立しといて、「やるべき事」を差し置いて「やりたい事」に行くなんて「虫の良い話」なのだが。
まぁ人間は弱い生き物、いやむしろ強欲だ。
そして多くの場合「やりたい事」はお金に結びつかず終わることが多い。
つまり強気の投資をして人を雇うなんて、もってのほかだと思ってしまう。
これもまた「虫の良い話」だが、
「少ない資金でやりたい事をやったうえで利益まで持ってくる」
ということを実現できるのが理想である。
色々考えてみて気付いたが、こんな感じで四苦八苦するのも意外と嫌いじゃないようだ。
ドMっって訳ではないが、改めて自分の異常さに気付くことができた。
サラリーマン時代にとにかくトラブル、クレーム、成績不振が嫌でしょうがなかったが、きっと自分事として捉えていなかったらしい。
今は良くも悪くも自己起点の自己責任の世界で仕事をしているから、
ネガティブな状態が自分の身に起きても割と苦ではない。
ちなみに今書いているnote以外にも、少ないスキマ時間を縫ってトライした「やりたい事」を記録していくのはアリかもしれない。