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happy_echium96
柚月裕子さんの作品を読んでいる。
「盤上の向日葵」で本屋大賞2位だった作家さんである。
最初は佐方貞人シリーズから。真面目な検事さんが主人公で推理小説の王道という感じ。隠蔽捜査シリーズが好きな夫にも読ませてみる。
続いて孤狼シリーズを手にとって驚く。
任侠ヤクザが出てくるし、今で言うパワハラ、セクハラのオンパレード。言葉遣いも酷いし、喧嘩っ早いことこの上ない。
暴力団対策法成立前の広島が舞台というけれど、昭和63年にこんな社会問題があったのか。
今の若い人が読んだら、かなり新鮮に思うか、逆に違和感を感じそうなくらい乱暴な方々である。とはいえ、登場人物は舞台となった昭和63年には成人しているので生まれた頃は戦後間もない日本。任侠ヤクザとして生きてきて、生き方を変えられなかった人達が居たことは想像出来る。
昔はコンプライアンスなんて言葉、無かった。
幼稚園の頃、いたずらをした私に幼稚園の先生が「足首を切り落としてやる!」と大きなペーパーカッターを見せて脅されたこと、今でも覚えている。
別にそれが咎められる事が無かった時代。
今がどんなに穏やかで平和なのか、痛感出来る本でした。
これから盤上の向日葵を読みます。