ひとりでいたいけれど、他人の目が気になる方へ~他人の目が気になる原因を知ろう~
こんにちは、ひとり好きのチロです。
「内向的・隠居・幸福感」をテーマに、ひとりでいることが好きな方に役立つ情報を発信しています。
今回は、
「ひとりで行動したい! でも、他人の目が気になってしまう……」
という方に向けて、他人の目を気にしてしまう原因について、お伝えしていきたいと思います。
内向型やHSPといった、ひとりの時間でエネルギーを回復する人は、集団の中にいると緊張したり、疎外感を感じることもあると思います。
ならば、ひとりでの行動を増やそう。
もっと、ひとりの時間を増やそう。
と思っても、他人の目が気になって、ひとりになれない方も多いかと思います。
「あいつ、友達が作れないんだ」と、馬鹿にされたら、どうしよう。
「あの子、ひとりぼっちなんだ……」と可哀想な目で見られたら、どうしよう。
こういった評価を気にしてしまうこともありますよね。
そこで今回は、「なぜ他人の目が気になってしまうのか」ということについて、
・人間の本能
・成長過程の環境
の2点から解説していきます。
1.「他人の目」が気になる原因
①「他人の目が気になる」は、人間の本能
どんな人でも、多かれ少なかれ「他人にどう思われているか」というのは、気になるところです。
では、なぜ、人間は他人の目を気にしてしまうのか……理由については様々な説があるようですが、最終的には
「自分が生き残るための本能である」
という結論が有力なようです。
以前、「さみしさ」に関する記事でも書いたのですが、人間という生き物は、社会的集団を形成することで生き残ってきました。
他の動物と比べて力も体も弱い人間は、ひとりでは自然界を生き延びることが出来ないため、集団で生活することにしたのです。
逆に言えば、周囲と連携できない者は集団から仲間外れにされ、孤立してしまいます。
そのため、他人から
「あいつは変だ」
「あいつはおかしい」
と、奇異な目で見られることは、命の危機に直結するくらい危険な行為だった、ということです。
そんな事態を避けるため、人間は他人の目を気にして、「良い人」に思われるように努力してきた、ということです。
そして、人間の脳の基本的な構造は、狩猟採集時代からほとんど変わっていないため、私たちにも「他人を気にする」という機能が備わっているのです。
現代では、集団から離れたからといって、すぐに命の危機にさらされることはありませんよね。
つまり、私たちの脳は、急激に変化してきた今の環境に、適応できていないとも言えるのです。
②他人の目を気にするのは、自分を守るため
さて、ここまでで、一つ分かったことがあります。
それは、他人の目を気にする理由は、「他人に関心があるため」ではなく、
「自分に関心があり、自分を守るため」
ということです。
それだけ人間は、自分自身に関心があり、自分を守ることを最優先にしている、ということですね。
これについて、ハーバード大学の実験を紹介したいと思います。
37名の被験者に対して、
「知人や有名人など他人についての話をすれば、その量に応じてお金の報酬を渡します」
「ただし、自分の話をした場合、報酬が減ります」
といった条件で、実験を行いました。
一見、全員が他人の話をして報酬を受け取るだろう、と思いますよね。
しかし、実際には、報酬が平均で2割近く減っても、自分の話をすることを選んだそうです。
また、どちらの話をしても同額の報酬を渡す条件では、約7割が自分の話をしました。
多少の損をしてでも、自分の話をするほど、私たちの関心は自分自身に向いている、ということですね。
③育つ環境によって「他人の目が気になる」傾向が強くなる
人間は誰しも、他人の目を気にしてしまう本能を持っている、ということが分かりました。
また、その理由は自分への関心が強く、自分を守るためである、ということも分かりました。
しかし、他人の目を「気にしやすい人」と「あまり気にしない人」がいるのも事実です。
では、その程度の違いは、どのように作られるのでしょうか?
その原因の一つは、育つ環境の中で他人にどんな評価を受けてきたか、ということが考えられます。
どういうことなのか、具体的に説明していきたいと思います。
他人の目を気にしやすい方の場合、成長過程において、
・批判的な人
・心配性な人
・過干渉な人
などが、身近にいることが多いと言われています。
「こんなことをしたら、人から変な目で見られるでしょ!」
「どうして、もっと上手く出来ないの!」
「もっと○○したほうがいいんじゃないの?」
こういったネガティブな評価を小さい頃から受けていると、心に深い傷を負うことになります。
家庭環境だけでなく、友だちや先生といった身近な人からこういった評価を受ける場合もありますよね。
ネガティブな評価を受けると、小さなトラウマが心の中に積み重なっていってしまうのです。
こういった環境で育つと、自分のありのままを安心してさらけ出せる経験ができず、
「他人とは、自分に評価を下して傷つける存在だ」
と、認識してしまうようになります。
これが原因で、傷つけられないようにするために「他人の目」を気にしやすくなってしまうのです。
直接、批判的な評価をされたわけではなくでも、
「そんなことをしたら、他人からどう思われるか」
といったニュアンスの言葉ばかりを言われて育つと、やはり、「他人は自分を傷つける」という思考になりやすい傾向があるようです。
前述したように、人間が他人の目を気にする理由は、自分の身を守るためです。
成長過程で、ありのままの自分を否定されれば、「こんな自分は集団に受け入れてもらえないんだ」と本能的に感じてしまいます。
その結果、私たちの脳は
「集団に受け入れてもらえないと、命の危機にさらされる!」
と勘違いして、身を守るため、他人の目を強く気にするようになります。
これが、「育つ環境で、他人の目を気にする傾向が強くなる」という流れになります。
2.まとめ
それでは、今回の内容をまとめていきましょう。
・他人の目を気にするのは、人間として自然な機能
・人は自分の身を守るために、他人の目を気にする
・育つ環境に否定的な人が多いと、他人の目を気にする傾向が強くなってしまう
今回は、この3点がポイントになります。
今後も「ひとりの時間」を充実させる情報をどんどん発信していきます。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!
参考書籍:
『「他人の目」が気になる人へ~自分らしくのびのび生きるヒント~』
水島 広子 著
『最新研究でわかった “他人の目”を気にせず動ける人の考え方]』
堀田 秀吾 著