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短歌自選集

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その1年詠んだ歌から、30首自選したものを毎年ひとつずつ加えていきたいと思います。
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2021年1月の記事一覧

2020年の自選短歌30首

2020年の自選短歌30首

ポケットに入れっぱなしの蝶々がインディゴに染む十六の春
いっぱいの水を貼り付けバスはゆくけやき並木に雨のそぼ降る
高いって遠いことだよ月行きのエレベーターから望む地球は
買ってないくじの抽選見るように恋を失う鈴掛の径
水風船投げれば割れてすつぱりと女ではなく人になりたし
六月のままの暦をひとつずつ千切れば風は流れはじめる *1

鼠ほど強くなれたら 階段で立てた中指ずっとつめたい
地下鉄の窓はあけ

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