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避難生活10の気づき 【緊急避難編】

この記事は「避難所の衛生ストレス解決プロジェクト」を通じて徐々に浮かび上がってきた、緊迫した避難所をもっと安心や快適にできるかもしれない様々な気づきを10のテーマにまとめたものです。どれも課題の指摘や提言ではなく、機会や可能性の提示として、多くの皆さんにひろく共有することができればと思い書き留めました。
noteでは、10の気づきを避難生活の4つのフェーズに分けて順にご紹介していきます。

第1回は、全体の主旨のご説明「緊急避難」についての2つの気づきです。

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はじめに

本プロジェクトでは、宮城県と広島県でのフィールドワークやインタビューを行い、多様な地域や立場の方にお話を聴くことができました。
そして、そこから私たちが思考し対話したことが結晶化され、具体的なプロダクトのデザインを進めています。

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プロトタイプデザインの効果検証実験-1回目@京都工芸繊維大学-櫛研究室|ひとごこちデザインラボ|note

一方、今回のプロトタイピングでは具体的に取り組むことのできなかった気づきもたくさんありました。
そこで、これらの気づきを10個にまとめて、対話形式でお伝えすることにしました。

記事は3つの要素で構成されています。
①イノベーションプランナー・渡辺の視点で考えたこと、感じたこと
②①に対するメンバー内での議論
③防災士・宮本さんからのコメント

ぜひ、率直なご感想や理解不足のご指摘、対話のお誘いなどお待ちしています。

避難生活10の気づき 【緊急避難編】

01:避難所の開設

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慌ただしく開設される避難所 。「誰でもはじめてでも迷わない」というのはユーザビリティの専門領域では?

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AEDのような避難所立ち上げキットの可能性 個人が自宅から避難所まで避難する訓練はできるとして、その避難所を誰が開設や運営をするのか。もちろん事前に準備や訓練をすることも大切だが、地域の全員が受けることはほぼ不可能だ。実際の現場では、地域防災リーダーや自治体職員以外が行う必要があるかもしれない。ならば、AEDのように、避難所には誰でも指示に従えば初動を間違えない一連のキット/セットが開発されて置かれていても良いのでは。そこに「はじめてでも誰でも使える」ためのユーザビリティデザインの知見が活かされる余地がありそうだ。

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各自治体や地域の自主防災組織、指定避難所となっている施設などでは、避難所の立ち上げ・運営訓練が行われています。また、住民や避難所となる学校に通う児童生徒も含め、災害時を想定した避難所運営ゲーム(HUG)を体験したことのある人もいるでしょう。
どんなに準備をしていても、発災時には様々な「初めて」の多発が想定されます。キットにより「避難所運営はじめの一歩」をある程度までカバーできれば、立ち上げにかかるエネルギーを軽減できるかもしれません。そのエネルギーを、地域や災害ごとに力を入れるべき準備に充てることも期待できるのではないでしょうか。

02:防災グッズの使い方

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簡易トイレって意外と使い方が難しいらしい 。とはいえ「トイレぇ!」という時に正しい使用方法を聞く余裕は、たぶんない。 あらゆる初体験をスムーズにするには?

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たくさんの人が訪れる避難所では共有部の衛生管理も大変。例えば、簡易トイレの正しい使い方を知らなくてトイレ自体をダメにしてしまう事態が多く起きたらしい。いくら文字で手順が書いてあっても、用を足す直前には人々は読んでくれない。そこで、東日本大震災時のある避難所では、事前に正しい使い方を知ってもらうために自称“おばちゃん”数名が「トイレエンジェルス」を結成。トイレの前ではなく居住エリアにいる人たちに、コント形式で笑いを通じて使用法を伝えて回ったそうだ。情報を伝えるタイミング、対象者との目線、娯楽を交えた伝え方など「コミュニケーションデザイン」として完璧だと思った。張り詰めた緊急事態でも、正論を上手に伝えあうために、事前にデザインしておけることが簡易トイレ以外にもたくさんあるのではないか。

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災害時のトイレは、長年解決しない課題の一つです。生理現象、そして究極のプライベートでもあり、避難所での共同生活においても問題になりがちです。使用方法や環境維持において、工夫できる余地がまだ大いにある領域ではないでしょうか。個人で使用する「簡易トイレ」も、防災リュックに必ず入っていますが、実際に開封して使用してみたことのある人はどのくらいいるでしょうか?防災グッズは「備えておく」ことももちろん大切ですが、一度「開封して使ってみる」と、いざという時にもスムーズに使えるかもしれません。

次は、避難生活10の気づき【避難生活編】をお届けする予定です。

次回もぜひ、ご一読ください。

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