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探究学習の「問い」を磨くために「リフレーミング」してみる!

今回は安斎勇樹さんの本とwebの記事から、探究学習の「問い」を磨くことについて考えていきたいと思います。

参考文献

リフレーミング

最初に「問いのデザイン」という名著があるのですが、ここにある「リフレーミング」という部分を「問い」を磨くテクニックにそのまま転用できるのではないかと考えています。

リフレーミングとは、この本では「目標の再設定」ということで出てきます。別の視点から再設定することという認識です。

リフレーミング
①利他的に考える
②大義を問い直す
③前向きに捉える
④規範外にはみだす
⑤小さく分割する
⑥動詞に言い換える
⑦言葉を定義する
⑧主体を変える
⑨時間尺度を変える
⑩第三の道を探る

いくつか具体的に見てみると

②大義を問い直す
「廃棄野菜の問題を解決したい」という生徒に対して、誰のためにということを考えさせつつ、廃棄野菜を減らすために廃棄になりそうな形の悪い野菜を販売するとか、加工食品にするということは考えられますが、野菜からクレヨンなどの全く別のプロダクトを作り、やさい嫌いの子どもにやさいを身近に感じてもらうなどの大義を問い直すこともできると思います。

⑤小さく分割する
大きな大きな「問い」を立てる生徒は多いので、その「問い」を検証するための「小さい問い」を考えてみようという話をしてみたり、そもそも1年間の総探の時間だけではとても手に負えないものになる可能性があるのであれば、考えた「問い」のここの部分だけをこの総探では考えてみようというように分割したり、部分を「問い」にするといいと思います。

⑩第三の道を探る
人口が減っている地域において、人口減少を食い止めるとか若者に定着してもらうではなく、人口減少はしかたないけど、こうすることでこの街は良くなるという全く第三の道を模索することもありかもしれません。昼間人口に着目するなど他の視点から新たな道を模索する方法もあります。

3つの例でしたが、生徒の「問い」に対して、この10個の切り口から話をすると「問い」が磨かれると思います。

2つのモード

生徒の考えた「問い」へのこだわりを育て、とらわれを疑うために、「フカボリモード」と「ユサブリモード」を上手く活用した対話をするようにしてみると良いと思います。

「フカボリモード」はこだわりを育てる部分で、その「問い」に対する思いを掘り起こすことを目的にしています。チームでやりならチームメンバーのそれぞれ譲れない部分の共通項になるところかもしれません。

フカボリモードの質問の型
(1)素人質問:みんなの“アタリマエ”を確認する
(2)ルーツ発掘:相手のこだわりの源泉を聞き込む
(3)真善美:根底にある哲学的な価値観を探る

チームのポテンシャルを引き出す「問いかけ」の2つのモード
https://www.cultibase.jp/articles/9587

「ユサブリモード」はとらわれを疑う部分で、その「問い」に対して、気付かぬうちに表面的になっている部分をゆさぶって芯の部分に気が付いてもらうところです。視点を加えたり変えたりすることで、それまで気が付かなかったところに気が付くかもしれません。

ユサブリモードの質問の型
(1)パラフレイズ:別の言葉や表現に言い換えを促す
(2)仮定法:仮想的な設定によって視点を変える
(3)バイアス破壊:特定の固定観念に疑いをかける

チームのポテンシャルを引き出す「問いかけ」の2つのモード
https://www.cultibase.jp/articles/9587

ちなみに、引用元の記事の挿絵がとてもわかりやすいので、記事も同時に見てほしいです!

生徒が「問い」を考えていて、ある程度カタチになってきたタイミングでこのような声かけや対話をすると「問い」は磨かれていくと思います。

フカボリやユサブリについては、この記事を読む以前から僕も意識的に行っていて、それにはあるエピソードがあります。以前、勤めていた学校では、地域の人が生徒の探究を支援してくれていました。そこではけっこう厳しい意見も言ってくれていて生徒のあまっちょろい考えにユサブリをかけていたと今では思っています。それと、地域の人が、「先生(僕)がいるからって遠慮して発言するのは止めろ!自分が思っていることを話せ」ってよく生徒に言ってくれていました。そのおかげで本当に自分がやりたいことをできたいたと思っています。せっかくフィードバックやアドバイスをするのであれば、フカボリやユサブリを意識すると良いと思っています。

これらは一例ですが、「問い」を磨くために、具体的に何をすれば良いかがわかるだけでアドバイスやフィードバックが変わると思います。ぜひ、生徒に積極的な声かけをしてください!

注意事項としては、今回は僕が、「リフレーミング」と学びの「モード」を探究の「問い」に切り取ってしかも再定義というか変化させて使用しています。本来の安斎さんが考えている意味とは違うものになりますのでご注意ください。

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