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ヒットの手がかり:普段の行動に組み込む

今日もご覧いただきありがとうございます。商品がヒットした要因を独自に分析、その中から一つを、”ヒットのヒント”として解説します。今日はissinの「スマートバスマット」を見ていきたいと思います。(トップ画像引用元:https://issin.cc/blogs/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E4%BD%93%E9%87%8D%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88-%E3%81%8C%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%AEau%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AB%E3%81%A6%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%82%92%E9%96%8B%E5%A7%8B)

ヒット商品がヒットした要因は様々あると思います。自分はこう考える、これは違うのでは?など意見がありましたら、ぜひコメントに残していただければと思います。皆様のコメントによって、より多角的な分析に繋がればと思います。

issin・スマートバスマットについて

「スマートバスマット」はセルフヘルスケア商品を提供する東大発スタートアップであるissinが販売する、体重計です。最大の特長は、お風呂上がりに乗るだけで体重や体組成を測定できることです。バスマットのような存在にするために、本体側の機能はできるだけそぎ落とし、本体の体重表示もなくし、Wi-Fi経由でスマホに体重を表示します。

本体には体重の表示はなく、あくまでもバスマット然としている。(画像引用元:
https://issin.cc/blogs/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E4%BD%93%E9%87%8D%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88-%E3%81%8C%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%AEau%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AB%E3%81%A6%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%82%92%E9%96%8B%E5%A7%8B)

少し前になりますが、7月21日放送の「がっちりマンデー」の「儲かる洗面所特集」の商品として取り上げられ、番組中、発売から1年半で約25,000台を販売したと紹介がありました。

ヒットの手がかり:普段の行動に組み込む

issinのスマートバスマットがヒットした理由は、非常にわかりやすいと思いますが、商品特長である「お風呂上がりに乗るだけで体重や体組成を測定できる」ことにあります。もう一歩踏み込んで、丁寧に書くと「お風呂上がりに、”特別な行動をとらず、いつも通りバスマットに”乗るだけで体重や体組成を測定できる」こととなります。
お風呂上がりの行動を分解すると、お風呂から上がる→バスマットに乗る→体を拭く→服を着る、となります。ここで、これまでの体重計を使おうとすると、お風呂から上がる→バスマットに乗る→体を拭く→体重計を測る→服を着る、といった具合で、「体重を測る」という動作は独立した行動として新たに追加されていました。これは、これまでの体重計、特に最近主流の体脂肪率が骨量などが測れる体重計は、足が濡れていると正確に測定ができないためです。

通電するタイプの体組成計は濡れた脚では使用できないものが多い。

しかし、スマートバスマットの場合は、お風呂から上がる→バスマットに乗る&体重を測る→体を拭く→服を着る、という流れになり、これまでの工程の中で体重が測れていることがわかります。
多くの方が感じることだと思いますが、新しい習慣を作ることは簡単なことではありません。体重を測る、といったわずか1分たらずの動作であっても同じで、継続できるかは労力や時間だけでなく、モチベーションにも左右されます。その点で、今までの行動の中に組み込んでしまえば、労力や時間は新たに必要になりませんし、モチベーションがなくなっても、行動をやめることはありません。商品の導入ハードルを下げる上で、普段の行動に組み込むことは非常に有効なことだと言えるでしょう。

また、体重計もバスマットも共に脱衣所に置かれることが多いため、そもそもの親和性が高く、使用場所がこれまでと大きく変わることがない点も、ユーザーがこれまでの生活の中で取り入れやすい理由の一つです。

編集後記

いつも通りマーケティングトレースを基本に商品を分析しましたが、今の商品との差別化がわかりやすく、特にマップがキレイに別れて考えやすかったです。ものあまりのこの時代に、こんなに簡単にスパっと切り分けできる商品も珍しいと思います。
また、商品の使用を無理強いしないことの大切さを今回実感しましたが、同様にものあまりの中では、少なからず新しい商品を導入することはユーザーに負担を強いることが多いです。しかし、スマートバスマットは、ユーザーへの無理強いが少なく、まだまだ、探せばユーザーに無理強いをしないで済む領域があることを学びました。こんな領域を探して、ビジネスチャンスをつかみたいですね。

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