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逆噴射小説大賞2019投稿作

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#ファンタジー

アンバーグリスの心臓

クジラ狩りの船団が空と海とに浮いていた。

初猟日の空はその年も底抜けに晴れて、天国の跡地まで見通せそうだった。
人だかりのできる港を避けて、ミオは町はずれの砂浜で一人、遠ざかる船影を見送った。
武装飛行船の細い腹はみるみる小さくなって、もう米粒のようだ。その影を追いかけるように、網や大砲を積んだ大型漁船の群れが海上を走っていく。
漁船の一つにはミオの父親も乗っていた。
家を出る前の早朝、父は身支

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