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大切なものは目に見えない。売上に影響を及ぼすコンセプト設計の重要性【ヒットの因数分解#7】
「売れるかどうかは、売ってみないとわからない」と考えている方が多いと思います。
私も以前はそうでした。
しかし、超一流のマーケターの方たちは、「売れるかどうかは売る前に決まっている」と言います。
そんなことあるわけないと信じれなかったのですが、学んでいくうちに売る前の売上予測は可能であり、再現性もあるとわかりました。
これは衝撃でした。
この記事では、難しいことは極力書かず、売上予測の概要について解説していきます。
売る前に売れるかどうかは決まっている
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例えば、元P&Gのブランドマネージャーであり、USJを建て直した伝説のマーケター森岡毅さんは、P&G時代の新商品の売上予測からUSJのハロウィンイベント集客予測、ハリーポッターアトラクションの効果まで、すべて計算で出しています。
実際にUSJでは、ほぼ事前予測通りの売上を上げたそうです。
興味ある方は、ぜひ森岡さんの著書を読んでみてください。
*アフィリエイト広告を利用しています。
*「確率思考の戦略論」は非常に難解なため、入門には向きません
ただ、森岡さんの売上予測は高度な数学を用いており、非常に難解で小規模事業者が使いこなすのは現実的ではありません。
そのため、他の方法論はないか調べていると、過去には売上予測を用いて大ヒットした商品はいくつもありました。
・カビキラー
・写るんです
・禁煙パイポ
・テプラ
・釣りスピリッツ
・熱さまシート
・明治おいしい牛乳
などなど・・・・
どの商品も耳にしたことがあるものばかりではないでしょうか。
これらは偶然ヒットしたのではなく、売れるべくして売れていたのです。
つまり、売上は発売前に予測可能であり、再現性があると言えるのです。
売上予測の鍵はマーケットリサーチにあり
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では、具体的にどのように予測を行なっているのかを簡単に解説してみます。
これまでも繰り返し書いていますが、すでに市場にある競合商品との違いが明確になっていない場合、消費者にとっては乗り換えるメリットがありません。
逆に、違いが明確になっていて、それが欲しいと思う人が多ければ売れやすくなります。
ここでは、どんな課題解決になる商品か?を決めること = コンセプト設計と呼びます。3C分析はこのコンセプト設計のために行うと言っても良いでしょう。
このコンセプトが消費者に響くかどうか、それが買いたいかどうかに大きく影響を及ぼします。
そのため、商品コンセプトの受容性についてリサーチを行い、使用意向、購入意向を調査します。
その結果で、初速での売上がどうなるかを予測しています。
この売上予測のために用いられるリサーチ手法は、売上との相関があることが研究結果として明らかになっています。
その手順に沿ってリサーチを行うことで、商品を買える状況にある消費者のうち、どの程度の人が買うかという売上のおおまかな予測ができます。
つまり、売上予測の根本は目に見えない消費者の心の中をリサーチを通して可視化し、買いたいかどうかを目に見える数値に変換することに他なりません。
なお、初回購入率とリピート購入率の算出ではリサーチ手法が異なるため、この記事では初回購入に話を絞ります。
大切なものは目に見えない。商品コンセプトの重要性
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これまで、SNSを使って売上を上げたいというご相談を多数お受けしていますが、うまくいくかどうかはコンセプトによって変わります。
受容性が高いコンセプトがある場合、SNSで認知度を上げていけば売上は伸びやすくなりますが、コンセプト受容性が低い状態であれば、SNSを使ってもなかなか売上に結びつきません。
コンセプトは画期的だとしてもそれを欲しいと思う人が少なければ当然売れません。
つまり、商品コンセプトの良し悪しがSNS活用の成否を決めるのです。
例で示した大ヒット商品は、発売前に商品コンセプトが消費者に受けるかどうかのリサーチを行い、売れる状態になるまで改良を繰り返しています。
その結果、認知度が上がることで欲しい人が増えるので、売れるべくして売れたのです。
前述の森岡さんも何かの番組で「本能にブッ刺す」というような言葉を使われていた記憶があります(記憶で書いているので表現は多少異なるかもしれません)が、まさにこの消費者ニーズに深く刺さるコンセプトが作れるかどうかがポイントです。
そして、それが本当に刺さるかを確認するためにリサーチを行なって確認する流れは、森岡さんにも共通していると思われます。
表面的に課題設定をするのではなく、消費者が本能レベルで求めていることを様々なリサーチで明らかにしてコンセプト化しているからこそ再現性があるんだろうと納得しました。
コンセプトを変えれば売上が変わる!「鼻セレブ」が大ヒットした理由
コンセプトという言葉自体がどこかふわふわしていて捉えどころがないため、コンセプトの定義はあいまいです。
売れる商品を作るという目的に照らして言えば、コンセプト開発 = 消費者(誰)のどんな課題を解決するか?を決めること と定義づけして話を進めていきます。
例えば、ティッシュ革命とも言われている『鼻セレブ』という商品をご存知ですか?
*アフィリエイト広告を使用しています。
この商品、実は発売当初は『ネピア モイスチャーティシュ』という名前で発売された保湿ティッシュでした。
保湿ティッシュはこれまでにない商品であったため、絶対売れると開発側は確信していたようですが、あまり売れなかったそうです。
それが、商品名を『鼻セレブ』に名前を変えたら爆発的ヒットします。
ただし、ここで気をつけたいのがネーミングを変えただけで売れたわけではないということです。
保湿ティシュ(コンセプト) = 『ネピア モイスチャーティシュ』という、まだ世の中にない新しいコンセプトで売り出しましたが、保湿ティッシュ = ウエットティッシュのような商品と誤解されていたことで、売上が伸びなかったそうです。
そこで、商品自体は大きくは変えず、コンセプトを変更。
鼻をかんでも赤くならないティッシュ = 『鼻セレブ』
商品のコンセプトを変えたことで、ネーミングやデザインもそれに合わせて変わり、結果として大幅な売上増になったのです。
つまり、ネーミングやデザインはコンセプトによって規定されるのです。
売れる商品開発は、コンセプトから!
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このように、商品自体は同じでも、コンセプトを変えるだけで売り上げは大きく変わります。
SNS活用にしても、
・保湿感のあるティッシュ『ネピア モイスチャーティシュ』はいかが!?
・鼻をかんでも赤くならない画期的なティッシュ『鼻セレブ』はいかが!?
このように違いが出ます。
”保湿感のあるティッシュ”は商品の素晴らしさについて述べていますが、”鼻をかんでも赤くならない”というのは消費者が抱えている課題を解決できるということを述べています。
主語が商品か、顧客の課題かが大きく異なります。
このようにコンセプトによって伝えるべきことが変わるので、コンセプトは初回購入に大きく影響を及ぼすのです。
売上拡大は、点ではなく線で考えよう
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しかしながら、コンセプトは目に見えないため、重要性が今ひとつ理解されていないのが現状です。
まず商品を作り、ネーミングやデザインを主観で決め、発売したら情報発信で売上を伸ばすというような流れで商品化が進んでいますが、大ヒット商品は、それらの上流工程でコンセプト開発を行なっているのです。
一方で、先にコンセプト開発をしないと、商品、デザイン、ネーミング、SNSが全てバラバラになってしまい、本来商品が持っている商品の魅力が伝わらず、売上につながっていかないことが多々あります。
これまでのコンサル経験からしても、商品力は非常に高いのに売れない場合はコンセプト設計に難があることが多いと思われます。
SNSはあくまで売れるべきものが浸透して売れやすくする役割です。
SNS活用の相談時には、いきなりSNSの使い方を支援するのではなく、まずはこのコンセプトがどうなっているかを確認しているのはそのためです。
SNSのテクニックで売上を伸ばそうと考える前に、まずはコンセプトに問題はないか?と考えましょう。
作ったものをどう売るか?より、売れるものをどう作るか?
また、売ってみなければ売れるかわからないという考えから、とりあず商品化を行うものの思うように売れなくて資金繰りが厳しくなることを多々見てきました。
その結果、数打てば当たるという考え方で、どんどん新商品開発が行われていき、資金も労力も分散されていき、悪循環に陥ります。
それであれば、開発費用が多少高くなってもリサーチを事前に行い、売れる確率を高めてから発売するほうが結果的に利益が残りやすくなるはずです。
闇雲に次々と新商品を開発するよりも、既存商品のコンセプトの見直し = リブランディングを行い、リサーチで目に見えない消費者心理を可視化して、既存商品の売上アップを目指すことをおすすめします。
必ずや御社ならではの強みがあり、だからこそ競合と違うコンセプトが生み出せるはずです!!
私はそう信じて、日々事業者様と向き合っています。
コンセプトの作り方に悩んでいる方はぜひご相談くださいね!
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