『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』
アニメ化もされドラマ化もされ
大ヒット漫画になりましたよね。
週刊モーニングで連載された漫画です。

作者の秦三子(やす みこ)さんは
元警察官、異色の経歴を持つ漫画家。

これだけの大ヒットを生み出したので、
次回作にも、とても期待が集まっていた。
ただ、勢いに乗ってすぐにも
新連載が始まると私は思っていたのです。

それが、意外にもかなり待たされた…。
モーニング誌上ではすぐにでも
始まりそうな書かれ方だったのに!

満を持して、と言いますか、
ついに、2023年の6月に始まりました。
待ってました!という気分でした。

しかも主人公は日本警察の父とも呼ばれた
薩摩藩出身の川路利良(かわじ としよし)!
司馬遼太郎さんでも書ききれなかったという
幕末ファンなら一度は聞いたことのある
ちょっとマニアックで謎の多い人物です。

「日本警察の父」を元警察官が描く!?

すごく説得力があります。
しかも、川路の言行は、実は今でも
警察官のバイブル的な本に
掲載されているそうで、彼の業績は
(警察官の中では)現在でも知られている。

…これは、期待しか、ない。
『だんドーン』というのが
秦さんの新連載のタイトルです。

ただ、ですね。

新連載に合わせて、モーニング上では
「新連載が8ヵ月遅れた理由」の記事
合わせて掲載されているんです。
(『コミックDAYS』のページで
電子上で読むこともできます)

そこには、かなり衝撃的なことが
さらりと書かれていた。
本記事は、漫画とともにこの記事の紹介。

…なぜ、連載開始が8ヵ月も遅れたのか?

秦さん自身が、その理由を
自らの言葉で語りたい、ということで
公表されました。
部分的に、下記に引用してみます。

(ここから引用)

『当初予定していた
連載開始時期である昨年10月から
8ヵ月遅れで『だんドーン』は始まった。

泰が話したいと思っていた
その「理由」は、

「夫が突然亡くなってしまった」から。

「開始号も決まっていたので
『表紙はどうしようか』と
編集さんたちと話していたところでした。

夫が亡くなってすぐに
編集さんとチーフスタッフに
連載をどうするか相談したんですが、
お2人とも電話口で

『仕事のことは考えず、泰さんと
お子さんの気持ちを大事にしてください』と
言ってくださって。
とてもありがたかったのですが、
それを大事にしたために、
読者の方にはただ待っていただいてる
状態になってしまった。

新連載を楽しみに
してくださっている方もいたので、
ずっと申し訳ないと思っていたんです。
生活が落ち着いた今、誠意を持って
お話ししたいと思いました」』

(引用終わり)

…大切なご家族を、亡くされていた。

まさか、そのような事情があったとは!
この記事を読んだ全国のファンからは、
まさか…、そうだったのか…、と
驚きの声が上がっているのです。

(ここから引用)

『「まだ若くて、めちゃくちゃ健康だった」
という夫が亡くなったのは、
本当に急なことだった。

「朝、胸の痛みを訴えて
その日の夜には亡くなってしまったので、
なんの心構えも準備もできていなくて。

『今私が冷静に対応しないと
夫を亡くしてしまう』と思い、
精一杯人工呼吸と
心臓マッサージをしたんですが……
私がついていながら助けられなかった、
という気持ちが強かったですね。

もう、漫画は描けないかもしれない
と思いました。
子供2人を1人で見ながら
週刊連載はできないだろう
というのもありましたし、
夫に褒められたくてがんばってきたので。

漫画家になる前、警察官に
なりたての頃からそうだったんですよ。
好きな人に褒められたくて
セコい努力を続けて(笑)、
毎月何かしら賞を取っていましたね。

『ハコヅメ』を描いたきっかけの
1つになったのも、夫でした」

過労死していく警察官を見て泣く夫の姿に
「もう涙を流させたくない。
もっと警察のことを広く知ってもらって、
警察官になる人が増えてくれたら」と、
10年の警察勤務を辞め、
『ハコヅメ』で漫画家デビューした。

夫は、泰の活躍を喜び、応援し続けた。
だが泰はこう言う。

「私が漫画家になったせいで
夫を亡くしたんだ、と思いました」。』

(引用終わり)

…自分を責める秦さん。

このまま、新連載の話は
無くなったかもしれない。
もしかしたら、今後の漫画家の道も
閉ざしていたのかもしれない。

それほどの衝撃だったことは、
予想がつきます。

しかし、秦さんは再び筆を執る。なぜか?
その理由は引用元記事をお読みいただきたい。
よろしければ、ぜひ。

では、漫画そのものの紹介もしましょう。

連載第1回では、三人の人物をメインとして
お話が進んでいました。

主人公、川路利良は薩摩藩の最下級の武士。
同じく下級武士(川路より少し偉い)の
西郷隆盛とタッグを組んで活動します。
それを演出したのが、名君と名高い
薩摩藩主の島津斉彬(しまづ なりあきら)

この三人の描写がとても軽妙でして。

『ハコヅメ』はストーリーもさることながら
軽妙な会話劇も魅力の一つでしたが、
そのテイストをそのまま
幕末に持ってきた感じ。
これは、面白い!

川路は「察する」能力に優れています。
後の「警察」を作る人ですからね。
色々と如才が無い。気が利く。

西郷は逆に「察しません」。正直者。
思ったことは、空気を読まずに言う。
少し意外な西郷像でしたが、
いや、もしかしたらこんな人だったのかも、
と思わせる説得力は、さすが!

島津斉彬は、とても魅力的に描かれています。
漫画『島耕作』における中沢部長がごとく、
「上司にしたい人ランキング」で
上位に来そうな感じ…。


連載第一回は、言わば「つかみ」ですが、
まさに「つかみはオッケー」状態です。
期待しかない。
これは、実際に読んでみるしかないですよ!

最後に、まとめましょう。

本記事では、秦三子さんの新連載、
『だんドーン』とその連載開始までの
経緯を紹介しました。

私も、今後の連載がすでに楽しみです。

まずはこちらの記事から、ぜひ↑

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