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チョコレートとチェッチェッコリ!
語感は少し似ているものの、
あまり接点がない二つの言葉。
この二つに密接に関わるのが「ガーナ」です。

「…チョコレートでガーナ、はわかりますけど、
『チェッチェッコリ』って何?」

これは、ガーナの民謡の一つで、遊び歌。
「森のくまさん」のように
「こだま」のようにつながっていく歌です。
(エコーソングと言います)

…この曲名にピンと来た方は、
もしかしたら小学生の子どもがいる、など、
小学校に関係がある方かもしれない。
もしくは自分が小学生の時に
聞いたり踊ったりしたことがあるかも…。

最近の小学校の運動会では、
『チェッコリ玉入れ』
(またの名を『ダンシング玉入れ』)
という競技が爆発的に普及し、
定番になりつつあるのです。

本記事では「ガーナ」の
歴史と地理に触れた上で、
「チェッコリ玉入れ」の謎と魅力に
迫っていこうと思います。

まず、ガーナはどこにあるのか?

「アフリカ大陸…ですよね!
でもあの大陸、広いからな…」

はい、ガーナは西アフリカです。
「つ」のようなアフリカ大陸の
西のでっぱりのへっこんだあたりの国。

正式名称は英語ならRepublic of Ghana。
(リパブリック・オブ・ガーナ)
日本語では「ガーナ共和国」ですね。
漢字では「加納」と書く。
熱帯雨林が広がる熱帯モンスーン気候の国で、
北に行けばサバナ気候、サバンナがある。

8世紀から13世紀頃にかけて、
西アフリカに「ガーナ王国」がありました。
ガーナとは現地語で「戦士王」の意味。
ファイター・キング。かっこいい!
サハラ貿易によって栄えた国。

17世紀には奴隷貿易によって
ヨーロッパから買った銃火器を使い、
周辺の民族より優位に立った
「アシャンティ王国」が繁栄します。
(日本の織田信長が貿易で火縄銃を買って、
戦国時代で台頭した様子に少し似ている)

1900年頃にはイギリスが領土にして。
「イギリス領ゴールド・コースト」になる。
いわゆる『黄金海岸』です。
この地域には「テテ・クワシ」なる人物が
チョコの原料となる
カカオの栽培をもたらした、と言われている。

クワシは1842年、黄金海岸生まれ。

1870年に「フェルナンドポー島」という
今の赤道ギニアにある島に出稼ぎに行きます。
スペイン領でした。
ここでカカオを初めて目にした。
スペインは南アメリカ大陸などで
大規模な農園をつくっていました。
この島では、カカオをつくらせていた。

1876年、帰国した彼は
カカオの種を故郷に植えてみた。
これが急速に各地に広まる…。
1891年には輸出開始。
イギリス領になった後、
このカカオ栽培はゴールドコーストの
基幹産業になった
のです。

第二次世界大戦後、1957年に
ガーナは共和国として独立!
黄金海岸の名の如く「金」も採れる。
2007年には油田も発見されて、
「石油」が採れるようになる。
2007年に導入されたガーナのお札には、
クワシとカカオの実の透かしが入っています。

◆ガーナ王国
◆アシャンティ王国
◆英領ゴールドコースト
◆ガーナ共和国

「カカオとチョコの国というイメージですが、
戦士王、貿易、黄金に石油…。
バラエティに富んだ国なんですね!
…では、もう一つの『チェッチェッコリ』は、
どういうつながりでガーナから日本へ…?

諸説ありますが、
1957年、ガールスカウトの世界大会が
フィリピンにて開かれた際に、
参加者が日本に持ち帰ったことが
日本での起源だ、と言われています。

ガールスカウトとは
ボーイスカウトの女子版。
アウトドアなどの活動を通じて
教育する団体で、イギリスが発祥です。

ガーナはイギリスから1957年に独立した。

ゆえに同年のフィリピンの世界大会で
「ガーナにはこんな遊び歌があります!」
紹介し、披露した人がいるのではないか?

≪日本語版歌詞≫
『チェッチェッコリ チェッコリサ
リサンサマンガン
サンサマンガン
ホンマンチェッチェッ』

日本語バージョンだと、
この歌詞に乗って踊るんです。
キャンプファイヤーなどでも大盛り上がり!
なお日本で言えばこの歌詞は
「せっせっせーのよいよいよい」
のような感じで、ノリは良いのですが、
あまり深い意味はない、とのこと。

「…それで、この曲と『玉入れ』は
どうつながっていくのでしょう?」

運動会における従来の「玉入れ」を
イメージしてみて下さい。

わぁーっと皆で玉を拾って投げますよね。
上のかごに向かって。
かごにたくさん玉を入れたチームの勝ち。
最後に数字を数えながら玉を投げます。
運動会では「ザ・定番」の競技。

…しかし「魅せる」という点では、
いささか問題点があった。


というのも、子どもたちが混ざって
しっちゃかめっちゃかに投げるものですから、
運動会の「観客」、保護者視点としては
どこに自分の子どもがいるか
わかりづらいんです。

かつ、子どもはかごを向いて
一生懸命に玉を投げている。
だから基本「背中」しか見えません。
シャッターチャンスも少ない…。

そこで「チェッコリ玉入れ」です。

これはぜひ、下部の実際の動画を
観ていただきたいのですが、
玉入れのこの問題点が
チェッチェッコリによって
見事に解決されている!
「ノーベルレクリエーション賞」があったら
受賞レベルですよ、これを初めて考えた人…。

競技者は玉入れのかごを背に、
つまり観客、保護者側に向かって
チェッチェッコリを歌いながら踊ります。
歌詞が終わったら、間奏の間に玉入れをする。
次の歌詞の部分になったら
また元の位置に向かって踊る。
間奏になったら、また玉入れ、投げる…。

つまり「ダンス」と「玉入れ」を
交互に繰り返す競技
です。
これぞ「チェッコリ玉入れ」!
観客の保護者は自分の子どもが
どこにいるか分かり、写真も撮りやすい。
玉入れの楽しさもある。一石二鳥。

かつ、曲の歌詞の部分で
ダンスと玉入れが切り分けられるので、
「不正」も起こりにくいんですね。
運営側としてもやりやすい。
「やめ」の合図が出たのに玉を投げる、
ということが少なくなる。…何と一石三鳥!

このチェッコリ玉入れ、
実は凄い勢いで日本全国へと
普及しているところなのです。
(詳しくは下の記事で詳細を…)

最後に、まとめましょう。

本記事ではガーナの歴史と地理から、
「チェッコリ玉入れ」
まで書きました。

チョコと、チェッコリと、玉入れ。
一見、何の関連もなさそうなものが
「ガーナ」のキーワードでつながる…。
いずれも「子どもに嬉しい」ものですよね。
美味しい、楽しい、盛り上がる!

ぜひ皆様のお仕事にも「ちょこっと」
嬉しさを練り込んでみてはいかがでしょう?

自分が嬉しい、関係者も嬉しい…。

そういった楽しい工夫は、
きっと全国の同じ想いの人に
「ちゃっかり」「チェック、これ」、
つまり「ちゃっチェッこれ」されて、
「ほんまに」つながっていくと、思います!

※「チェッコリ玉入れ」の事例動画はこちら↓

※運動会での運営はこちらもご参考に↓

※『ヒットヒットマーチ2014』のCDにも
収録されています↓

※なお「チェッチェッコリ」の楽曲は
サッポロの福茶のCMでも使われて
有名になりました↓

合わせてぜひどうぞ!

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