「140字・20秒の恋歌:56 いえない言葉は、新刊で」
私の恋人は官能小説家。まじめな夫とは正反対。
彼はクールで不倫の泥沼なんて関係ない。そこが良く、そこが足りない。
独善的に愛されたい。
彼の新刊では。人妻が夫を捨て、若い恋人との不埒な恋に溺れていた。
『きみは俺だけのものだ』
彼が言えない言葉が、白いページに刻されていた。
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