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「残春」 さだまさし

5月もGWを過ぎれば、季節はすでに初夏の装いである。

我々を愉しませ、また幸せな気持ちにさせてくれた桜の奇跡から一か月あまり。都市部の春はかくも短く去っていく。

しかし、我々は春についての思い出をたくさん持っている。

それはやはり、気候や草木のほかに、春は出会いと別れの季節だからであろう。

なんでも一年のスタートが4月になったのは穀物税収の絡みで明治初期には、そう定められていたらしい。

偶然とは言え、花が咲き誇り、新しい命が芽生える時期に一年を始めることができるのはなんという堯幸であろうか。

欧州では一年の始まりは九月であるが、日本では、変わらず、日本を象徴する桜とともに一年を迎えていきたいと願うばかりである。


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