展覧会レポ:横浜トリエンナーレ2024「野草:いま、ここで生きてる」@横浜美術館ほか
入って正面、いきなり現れるのがこれ。
頭があるべき場所にスマートホンを持つ手が生えていて、手があるべき場所には頭が生えて、スマホから頭にシャワーを浴びるような構図の人形。本来、頭が果たすべき役割がスマホに取って代わり、我々の頭はスマホから流れる情報シャワーの手に成り下がっているという現代社会の風刺でしょうか。また男女の身体が混合したキメラになっていますが、これは「奇妙だ」という感情が湧いてくるのが普通かと思います。絶え間ない情報シャワーによって、我々はジェンダーをゴタマゼにして当然という風潮になっているが、少し離れてみると、それって素直に奇形的だよね、そう主張する作品と勝手に理解しました。リベラルやポリコレによりがちな現代アート界に一石を投じる勇気ある作品。
ちなみにこれ、自宅の玄関先に置いておくだけで、留守中のセキュリティのレベルが数段階上がるかと思います。セコムやアスラックのステッカーよりも効果的かも。
非モテだった作者が、リア充の巣窟である某テーマパークに一方的な恨みを抱き、その恨みを発散するために制作した呪いの人形(私の勝手な解釈)。
細部まで手抜かり無くキモイ。いや、むしろ細部にこそキモさが宿っています。これ等身大人形なのだけど、30cm位のサイズだったら、ちょっと欲しい。
別ヴァージョン。このお面さえ無ければ、萌えフィギュアと言えるかも。
うひゃー。これは恨みは相当に強いぞ、、(私の勝手な解釈です)
いきなり目隠しされて拉致されて、目隠し取られたその眼前に、このマスク着用している人がいたら、もう国家機密でも個人的性癖でも何でも喋っちゃいそうです。
これスターウォーズで観たことある。カーボンフリーズだっけ?
皆さん神妙な顔して作品を鑑賞しておられましたが、「うわぁ、怖すぎだろ、この人面犬!」と盛り上がりながら鑑賞するのが正しい流儀かと思います。割と真剣にそう思う。
子連れで来てしまった親は、これを見て発した子供達の質問に、何と答えるのか。「こういう場面に遭遇したら、そっと離れて、近くの信用できる大人か、出来れば警察に通報しなさい」が正解かなぁ。そういうのもアート教育と言って良いのかしら。
これ結構好き。小難しい理屈は置いておいて、単純に格好良い!
こういう禍々しくてプリミティブな造形物大好きです。
実家の庭に設置したい。
「無題」では無くて、「題不詳」って、、。
勅使河原さんに一体が起きたのか!?
改装されて明るくなった横浜美術館の大広間ですが、早速ホームレスの皆さまに占拠された様子です(嘘)。
自治会とかPTA活動が嫌になって、ご近所と距離を取りたくなったら、こういうのをベランダに設置するのも一案です。そこで取られた距離は、きっと永遠に埋まらないでしょうが。
真面目に作者の意図を解釈するならば、「あー、格差がどうとか主張している連中、アイツラただの電波系だから、まともに相手したらダメよ」、てな感じ?
昔、コンビニでよく見かけた「GON」って雑誌で、こういうパネルに囲まれた家の写真とか晒されていました。あと「ノロイ」って映画にも、この種の描き込みで溢れている電波系男の部屋とか出てきました。
でも、これ描いた人がホンモノだと、いわゆる「アウトサイダーアート」とか「アールブリュット」と言われて別扱いになるので、ここで展示されているってことは、あくまでも電波系のふりして制作しているんだよなぁ。それはそれで、結構凄い。
「商品を使用せずに期限切れまで持ちあるく」
イザという時の備えとして財布に隠し持っていたコン〇ームが、ついに使う機会が訪れず、パッケージの経年劣化で漏れ出た潤滑剤で財布を汚してしまった、みたいな感じですかね?
いや、僕では無くて、大学で同級生だったY君の切ない実話ですが。
だから怖いって!(笑)
でも、これ自宅の玄関先やベット上に置いておくだけで、留守宅のセキュリティのレベルが(以下略)。
展示のテーマに関連する本も並べられていました。チョイスが面白くて、ここだけで結構時間を使った。棚にある「血のノルマ」とか「食えるんだったら なんでもするよ」というメッセージが心に刺さります。
これらのパワーワード、大きく印刷して職場に貼っておいたら、仕事のモチベーション上がるかしら。
おっと、こんなところで藤井さんの著書を発見!少し読んでみましたが良い本です。思わず、その場でヨドバシ.comでポチりました。
ちなみに藤井さんは私と同業者。私よりもだいぶ年下だけど、私よりもだいぶ偉い、、。あぁ、仕事から少し離れようと来たのに、仕事を思い出してしまった!
やはり貼ろうかな、あのパワーワード。職場に。