え?ベジタリアンだったの?!
こんにちは。辻村です。あなたはベジタリアンとヴィーガンの差をご存知ですか?今回は私が出張先のインドで経験したちょっと不思議なお話です。
ベジタリアンとヴィーガン
ある時インドの出張することになった。そこで、ベジタリアンについて少し調べてみた。古い人間なので、「地球の歩き方 インド」みたいなのを買ってきて、少し勉強してみた。どうやら、肉や魚を食べないベジタリアンと、動物性の食品はみんなダメなヴィーガンがいるらしい。「ご飯を食べる時に肉や魚を食べられない人がいないか気をつけてれば良いかな」というそれくらいの認識を持って、荷造りを始めた。
出張初日、お昼のレストランでもめる
出張初日、偉い人に挨拶をすませると、いろんな方がわざわざ挨拶に来てくれた。はるばる極東の東京という「へんぴ」なところから20時間近くかけてやってきた、初めて会う日本人に会おう思ったかもしれない。(私が訪れたベンガルールは私が訪れた当時で人口900万人、年間20から30%の割合で成長している街である。以前は「バンガロール」と呼んだが現地の言葉で呼ぼうという運動で名前が変わったそうだ。)
チームの習わしとして、一度はチームランチをやるらしく、初日の月曜日にランチに行こうということになった。上司はベジタリアンなので、当然のように「ベジタリアンのレストランに行こうと思うんだが…」といった。すると、魚も肉も食べる組から、「魚や肉もある店がよい」という意見が出る。「じゃ、どこそこのお店」というとほとんどの人は納得したが、数名の人が顔を見合わせている。なんだろうと思って聞いていると、どうも、そこのお店は初めてで、乳製品すらダメなヴィーガンの人たちが食べるものがちゃんとあるのかと心配していたみたいなのだ。上司がヴィーガンメニューもあるとことを説明して、ランチの場所が決まった。
え?ベジタリアンだったの?!
翌日、「お肉がっつり食べたいんだよね」と言ってみたところ、ベジタリアンがいないはずなのに皆が顔を見合わせている。
彼、今日はベジタリアンなんだよね。
「え?ベジタリアンだったの?!」とびっくりして、そして「『今日』ってどう言うこと?!」と混乱したので、よく聞いてみた。どうやら宗教上の理由で、彼は火曜日はベジタリアンらしい。僕は、「ベジタリアンか、そうでないかのどちらか」と思っていたけれども、どうやらそんなに簡単じゃないらしい。人によっては木曜日が肉類を食べられない日の人もいるし、ベジタリアンでも乳製品は大丈夫という人もいるらしい。
I thought being a "vegetarian" is a binary state!
(ベジタリアンって、ベジタリアンかそうでないかのどちらかだと思っていた!)
髪が黒くてやたら白っぽい東京からの客(私)はそう叫んで驚いた。
余談だが、インドの人がみんな浅黒い肌をしているというのは誤っている。例えば、イギリス系の血筋を引いた人はどちらかというとヨーロッパ的な顔立ちをしている。また、インドでも南部の人は色が黒いけれども、標高の高いヒマラヤに近い人はそうでもない。ヒマラヤ近辺に住んでいるシェルパが黒っぽいのは彼らの肌の色ではなく、紫外線をずっと浴びながら野外で仕事をしているというのが主な理由だろう。
彼の話に戻すと、彼はどうやら火曜日にベジタリアンらしい。たまたま横にいた彼の友人は、木曜日にベジタリアンらしい。彼ら2人以外にもずっとベジタリアンの人、ヴィーガンの人、逆に肉類を食べる人といたら、そんなに簡単に決まらない。当然の疑問としてわいたのが、「いつもどうしているのだろう」ということだ。
みんなで食べに行くときは月曜に食べに行くんだ。いろんな人がいるからどちらかにどんな料理でも対応できるところに行く。でも、そんなに軒数はないから、月曜以外は普段はお弁当だね。
「なるほど、みんなお弁当持ってくるの?」と聞くと、違うという。「どこかに弁当を買いに行くのか?」と聞くとそれも違うという。奥さんが家で作った弁当を配達してもらうというのだ。
毎日大変だね。奥さんに持ってきてもらうの? (※)
こう聞くと、それもまた違うという。よくよく聞いてみると、インドにはダッパーワーラーという弁当配達のシステムがあって、家で作った弁当を職場に届けてくれるサービスがあるのだという。そんなシステムがあることにも驚いたが、慢性渋滞のベンガルールで、ちゃんとお昼までに届くことに驚いた。そんなことを思っていると、彼はニッコリ笑って言った。
だから、火曜日から金曜日はお昼の心配はいらないのさ。
※インドでもどんどん女性は進出しているが、私の知っている範囲では専業主婦をされている方も多い。
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