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【五十二日目】存在意義と甘い実弾
大人になったら、実弾を撃てる。
実弾というのはもちろん拳銃のではなく、例えとして、だ。
桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』で、主人公は子供の無力さを「砂糖菓子の弾丸」といって、早く「実弾」を撃てるようになりたいと願った。
*
私は今、どちらでもない。大人でも、子供でもない、そんな感覚でいる。
ふわふわしながら、モラトリアム人間をやっている。
甘いのだろうか?
「ええ、甘いです」そう言うのだろう。実弾を願う君は。
いや、わかってはいるんだ。
いずれ、社会に出ることは避けられないって。
不条理にも、理不尽にも、とりあえず「ごめんなさい」。
そう言えることが大人になる条件の一つだと、今の大人、社会を見てればいやでもわかる。
でも、なんかやっぱ違うでしょと心の奥底では思っちゃうわけで。
そうしてまた、一日が終わって、何の生産性もねえな、ってなって、自己嫌悪しちゃって。
どうすればいいのかなんて言ってたら、多分もう避けられないレールの上に乗ってる自分がいる。
そんな生活してて、存在意義なんてわかるはずないわな。
ロリポップでどうにかしようという歳でもないから、甘い嘘なんて吐けないし。
でも、やってることは「甘い」って。もう何が何だか、書きながらわかんなくなってきた。
二十年生きてきても、確実にわかることなんてこれっぽっちもないんだって。
なんかそう思うと、ずいぶんこの世界はゆらゆらしてるみたいです。
2021/2/24/21:12 ヒサノエイ