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「密輸1970」を観た

1970年代半ば。

韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に瀕していた。
海女たちのリーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことに。
しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡する。

2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかける。
密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらさまざまな者たちの思惑が入り乱れるなか、海女たちの人生の再起をかけた大勝負が始まる!


むちゃくちゃ面白かった!!!

舞台が1970年代ですから、韓国はまだ軍事政権の時代です。
今の若い人にはピンとこないでしょうが、韓国って1980年後半までバリバリの軍事政権だったんですよ。
その時代の韓国ってTVニュースくらいでしか知らないけど、実際の生活はこんなだったのかな…と思う映画でした。

イケてるファッションはいわゆるサイケ、音楽は懐かしの歌謡曲、ディスコに喫茶店、男も女も煙草をスパスパやってる。
そして密輸品は、当時は世界から絶賛されていた日本製品。食品とか家電とか。
ああ、これも今の若い人にはピンとこないかも。
世界のソニー、世界のナショナル、そんな時代もありました…
そしてその時代は日本でも「公害」が社会問題になっていたのです。
この映画の設定と同じ、工場排水による健康被害。


チュンジャもジンスクも、海女グループはいわゆるワーキングプア。
足元を見られて危険な仕事を安い報酬で請け負わざるを得ない女たち。その彼女たちのシスターフッドの物語でした。
騙し騙され馬鹿しあい、最後に笑うのは誰?


ラストのオチも効いていて、エンドロールで「yeah!!!」と親指立てたくなっちゃう。
全編に流れる韓国歌謡も渋い!



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