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大分・宮崎ドライブ旅 Day4 宿泊:宮崎県日向市

前回、延岡にはなんもないだの列車のダイヤがスカスカ過ぎるだの、散々言いましたが、それでも道路の青看板に掲示されるくらいには大きなまち、ということみたいなんですよね。確かに宮崎県内の市町村では宮崎市、都城市に次いで第3位ですし。人口11万、大阪で言えば池田市くらいなので、ド田舎もド田舎……というわけではなさそう。ただ人口に占める旭化成関係者は多そうですね。他にも化学メーカーの隆盛とともに成長した市や町はたくさんありますが、これだけ企業がまちに根付いているのも珍しいのではないでしょうか。

Day4は高千穂峡とその周辺の観光。旅行に出る前はあまり意識していませんでしたが、途中からここが今回の旅行のメインになるだろうな、という意識がありました。他の日は移動のついでに道中にあった観光地に行く流れでしたが、この日はわざわざ西に行って高千穂峡まわりを一日かけて巡るうえ、宿泊地も延岡からちょっと下っただけの日向市だったためです。
延岡から向かうと高千穂峡は案外近く、2時間かからないくらいです。そこまで詳しく調べてはいなかったので、現地の看板に従って、まずは一番遠いところにある高千穂峡そのものを見に行くこととしました。
平日ながら外国人観光客の方で結構にぎわっており、少し遠めの駐車場に案内され、案内を見ながらとりあえず遊歩道に沿ってのんびり散策しよう、と思っていると。なんと整備中で通行止めになっていました。先ほど調べたところ、8月末の台風の影響らしく、9/13(金)より規制解除されて通れるようになっていたみたいです。訪れたのは9/11だったので、シンプルに運が悪い。迂回路はもちろん用意されていたのですが、遊歩道の大部分が通行止めになっていたため、あまり渓谷に近づくことは叶いませんでした。

とはいえ迂回路経由で下まで歩き、売店でいくつかお土産を買ってから、高千穂峡は終了。レンタルボートに乗ることも考えはしましたが、30分4000円だし、友達とかと数人で乗るならまだしも、一人ではちょっとなあ……と思ってしまったので、断念しました。

高千穂峡から少し戻ってくると、高千穂神社があります。道中で結構立派な鳥居があったので寄りましたが、歴史がかなり古く、縁結びや夫婦円満のご利益があるようです。出雲といい貴船といい、なんだかんだで縁結びの神社に行く機会が最近多い気がする。
高千穂神社から今度はほんの少し北上すると、「道の駅高千穂」があります。どこかお昼を食べるところはあるかと迷っていたのですが、道の駅があるなら安心です。ドライブ旅を今回一人で敢行して、道の駅のありがたさが身に染みました。お土産もいろいろ揃っているし、食事もできるので。そのための道の駅だろと言われればそうなんですが。ここではお昼に軽く鶏塩うどんと高千穂牛コロッケをいただきました。

さて、その昔高千穂町には延岡から国鉄高千穂線が伸びていました。国鉄が息絶え絶えの時代に特定地方交通線として廃止されたのち、三セク「高千穂鉄道高千穂線」として開業したものの、2005年の台風14号により壊滅的な被害を受けてしまい、復興費用が巨額であったことから泣く泣く断念、全線廃止が決定したとのことでした。
行きしなに私は「どうやら廃線になった鉄道があるらしい」という情報だけつかんでいたので、今は亡き路線の歴史も感じに行きたいという気持ちで向かいました。しかし行ってみると、旅客扱いはしていないものの、町の有志が「高千穂あまてらす鉄道」という会社を設立、高千穂駅から隣の天岩戸駅を通り、高千穂鉄橋を渡ったところで折り返すスーパーカートを観光用に運行しているとのことでした。これは乗るしかないと思い、高千穂駅に隣接する資料館の入場料とセットになった券を購入しました。

スーパーカートはディーゼルで動くのんびりとした乗り物で、所要時間は往復30分ほど。これも町の方がトラックを改造したもので走らせたのが最初らしく、途中通る二つのトンネル内では車内に載せたミラーボールで照らしたり、鉄橋の上では停車してたっぷり橋上からの景色を見せてもらえたり、直射日光で暑くてたまらなかったものの、いい体験になりました。
なお、現在スーパーカートの運行は高千穂駅~鉄橋までの約3kmですが、さらにその先、今は閉鎖されているトンネルの向こう、深角(ふかすみ)駅までは線路の復旧ができているようで、将来的にはそこまでスーパーカートを走らせることを目標としているそうです。

ちなみに、高千穂駅隣接の資料館も当時をしのばせる写真が多く、当時動いていた車両がほとんどそのまま展示されていたり、巨大な鉄道ジオラマもあったりと、そこに確かに鉄道が通っていた歴史を感じさせてくれるよい場所でした。

最後に、高千穂峡や高千穂神社からは5、6kmほど離れていますが、天岩戸神社を訪れました。天岩戸神社は天岩戸神話発祥の地、と謳っています。須佐之男命のいたずらに怒った天照大御神が隠れてしまったというあれですね。その隠れた場所とされているのが西本宮、どうすれば天照大御神に出てきてもらえるか話し合うため、八百万の神が集まったのが天安河原(あまのやすがわら)。出てきた天照大御神が最初に住まわれたのが東本宮、だそう。第二駐車場の隣にある東本宮は参拝した16時半くらいの時点では人がおらず、独特の雰囲気がありました。一方西本宮は参道の先にあり、人もたくさんおり、こちらがメインのようです。天安河原は西本宮から10分弱、道を下っていった先にあります。

西本宮や東本宮は他の神社とそう変わらない、厳かな雰囲気の境内でしたが、特徴的なのはやはり天安河原ではないでしょうか。洞窟内に埋もれるようにして建っている鳥居は、それまで沿って歩いてきた渓流の景色と相まって、自然と背筋が伸びるような雰囲気がありました。高千穂峡の方では遊歩道一時閉鎖の原因を作った台風でしたが、こちらでも西本宮の参拝休止、天安河原の倒木を引き起こしていたようです。どちらも9月に入ってすぐ参拝可能になっていたようで、今調べてそれを知ったのでラッキーと言わざるを得ません。天安河原に行けなかったら泣いてたかもしれない。

無事に天岩戸神社の参拝まで終わったので、あとは宿泊先へ。日向市宿泊としたのは、延岡から比較的近く、一日中高千穂周辺にいても遅くなりすぎずにホテル入りできるだろうと考えたからですが、それとは別にもう一つ、GoogleMapを見る限り、延岡から宮崎市までの間に中規模以上の都市が日向しかなさそうに見えた、という事情がありました。実際、宮崎県の市町村ごとの人口ランキングを見てみると、3位延岡市の次に4位日向市、5位日南市(宮崎市の南)と来るので、この見解は正解っぽいんですよね。一応7位に西都市が来ているものの、大分から宮崎へ、基本的に日豊本線沿いに南下していくという旅行の性質上、日豊本線が通っていない市町村は通過こそすれど、宿泊地にはしにくかったという後付けの理由もあります。西都市もホテルは何軒かあるみたいですが……。

日向市自体、そんなに大きな市というわけではなさそうなのですが、延岡、南延岡と来て次に特急が止まるのが日向市駅ということもあり、小さめの地方都市、といった印象でした。宿泊したのは昔ながらのビジネスホテルでしたが、近くにドラッグストアやコインランドリー、さらに24時間営業のトライアルもあり、困ることはなさそうでした。この時現金の持ち合わせがほとんどなく、個人的には大ピンチだったのですが。皆さんは旅行前にきちんと現金を準備しておきましょう。特に長旅の予定で、現地で洗濯しながら着る服をやりくりしたり、神社に行くのが好きな方はなおさら。私は三菱UFJやりそなにメイン口座を持っているのですが、なんとこの二行、宮崎には支店がなく、結局手数料をかけてコンビニで現金を引き出す羽目になってしまいました。普段のちょっとした買い物ではなんだかんだpaypayが使えたりするので、完全に油断してましたね。次からは気をつけます。

ちなみに、夕食は近くの飲食店で海鮮丼と地鶏のたたきをいただきました。地鶏の炭火焼きの方は大分で食べましたが、たたきもせっかくなら食べておきたいということで、ここで回収することができました。宮崎では他県よりも鶏肉の衛生基準が厳しく、基準をクリアすればたたきのような(ほぼ)生食も可能だったりします。宮崎でしかできないならやっておかねば。最近宮崎以外のラーメン屋でも、鶏のレアチャーシューが話題になったりしますが、あれは宮崎レベルの衛生基準をクリアしてるかどうか怪しいので、手を出さないのが吉だといつも思っています。カンピロバクターで倒れた知人も何人か知っているので……。

ちょくちょくトラブルはありましたが、いよいよ次が最終日です。最後は宮崎港からフェリーに乗る時間が確定しているので、それに間に合うように行かないといけませんでした。日向市から宮崎市までおよそ70kmと少し、この距離さえ走れればクリアというところでしたが、最終日にもきちんと目的地がありました。それはまた次回にお話しします。

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