難民の街、希望の街
パリ14日目。パリに来て2週間。昨日ル・コルビュジエが建てたラ・ロッシュ邸を見てから、ル・コルビュジエ熱が収まらず、今日も他の建築を見に行くことにする。
向かったのは13区にあるシテ・デュ・レフュージ(難民の街。)ル・コルビュジエと従兄弟のピエール・ジャンヌレが1933年に建てた、最初の公共建築だ。レフュージ(難民)と名がついているが、他国から紛争や人権侵害でフランスに避難してきた狭義の難民だけを意味するのではなく、困窮している人々、行き場のない人々を含む。それらの人々に住まいや職業訓練、精神的サポート等を施す救世軍センター(Salvation Army)なのだ。別称「希望のセンター (Centre Espoir)。」
土曜日だったが、中を見学していいと快く受け入れてくれた。赤、青、黄色を基調としたカラフルな外観。ロビーも広々としていて、多くの天窓を含む窓から日射が入り明るく、ル・コルビュジエらしいモダンな空間が広がっていた。
見学ツアーは不定期にしかやっておらず、モデルルームを見たり2階に上がることはできなかったが、1階と地下は自由に歩き回れた。地下には舞台ホールもあり、若者たちが演劇のリハーサルをしていた。アート活動にも力を入れていて、アーティストのレジデンスプログラムを行ったり、一般向けに各種セミナーも行われているようだ。
1975年パリの歴史建造物に指定されたこの建物。一般客も泊まれるようになれば、是非泊まりに来たい。
次に向かったのは前回2018年パリに来た時にはまった空中庭園、プロムナード・プランテ。ニューヨークの空中庭園ハイラインのモデルになった、旧鉄道線路跡を公園にした場所。調べてみればバスティーユからヴァンセンヌ城まで続く、と書いてあるので、ヴァンセンヌ城までトラムとバスを乗り継いで行く。
しかし、ヴァンセンヌ城辺りではどこを探しても遊歩道は見当たらず…。森の歩道を約4キロ離れた遊歩道に到達するまでひたすら歩いて戻らなくてはならない。そこで娘のスタミナは切れ、結局バスでポルト・ドレ駅近くまで戻り、遊歩道入り口を探す。初めからここからスタートすべきだった。
ポルト・ドレ駅の辺りからルイイ・ポール・ペルナン公園までは地上の遊歩道となっており、所々でアートインタレーションを楽しめる。ルイイ・ポール・ペルナン公園からバスティーユまでは高架鉄道跡でメインの空中庭園となる。遊歩道全長4.5キロメートル。
ニューヨークのハイライン、東京の緑道、と緑に囲まれた遊歩道は大好きだが、パリのプロムナード・プランテは格別。美しく剪定された木々の緑に囲まれ、高い位置からパリの街並を眺める。ビルの間をすり抜けたり、橋を渡ったり、と遊歩道を歩く行為自体も楽しい。
ここに来るといつも満たされた気分になるプロムナード・プランテ。次回パリに来た際も、また来よう。
PS. 建築など色々一眼レフで撮っていたのですが、CFカードの不備でデータを損失(涙)。写真があまりなくてすみません。
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