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蒜山の植物や農作物を活かしたものづくりで、日本の美意識・精神性の価値を次世代に繋ぐ

真庭市・蒜山エリアで無農薬でお米を作る農家さんから上質な藁(わら)を調達し、アーティスティックなしめ飾りを創作するわらじあーむ。の慈観雅之さん。
「日本の美意識・精神性の価値をものづくりを通じて伝播する」という志に共感するクリエイターとの出会いを求めています。


これまでの活動

慈観さんが真庭市の起業型地域おこし協力隊に応募し移住して約5年間、地域材を活用してものづくりをしたいという想いで探す中で出会った藁を使い、まるでアート作品のような独創的なしめ飾りを制作・販売、ワークショップ開催をメインに活動されてきました。

拠点は、真庭市の美甘(みかも)という場所に工房を構えています。藁細工の仕事は、10月に藁の刈り取りをしてから、年末のしめ飾りの販売に向けた制作やワークショップを行うというのが年間のサイクルです。

ものづくり作家としてはゼロからのスタートだった慈観さんですが、フェアフィールド・バイ・マリオット岡⼭蒜⼭⾼原開業時にホテル内に常設するわら細工を手がけたことを皮切りに、現在は百貨店での販売やポップアップでの出展も増え、活動範囲も年を追うごとに拡がりを見せています。

現状の課題感

「この5年間で、藁細工の魅力やものづくりの楽しさを届け続けてきたことで、お仕事の幅も広がった反面、一人で続ける限界も感じ始めました」

そう課題を語ってらっしゃいました。

働き方としては、藁細工の仕事以外に、他の仕事と両立しながら続けており、時間的にも体力的にもハードさを感じていて、チームをつくるタイミングを感じている最中。

実はこの7月に、藁細工の仕事を一本で取り組んでいくことを決められたこともあり、ここからどんな展開に舵を切っていくか、限られた時間の中で何に自分のリソースを注ぐかを考える分岐点だといいます。

その中でも今後の活動の軸に据えるのは、「次世代にものづくりの素晴らしさをつなぎたい」という想い。その想いに共感する仲間との出会いを通じて、わらじあーむ。の活動をどう広げていくか・どのようなメッセージで発信をしていくかを考え抜きたいとお話しくださいました。

また、藁細工の制作を手伝ってくれる方もいらっしゃる一方で、伝承のハードルの高さも課題の一つ。その方達に伝承できるように、藁細工の価値を高めて生業として成立する状態へと引き上げる正念場な1年となりそうです。

共創したいスローアクション

今回ツアー参加者の方と共創したいテーマは、「次世代に日本の美意識や精神性の価値を伝え残していく藁細工の在り方」です。

今まではしめ飾りの制作・宣伝・販売・ワークショップ開催まで全て慈観さん一人で担当していましたが、今後は、アートとしてのしめ飾りをもっと追求して作品を生み出すことに注力していくため、プロモーションやプロデュースの視点を持って関わってくれる仲間を募集します。

具体的には、作品の展示機会も増やすことや、海外向けの発信、アパレル、しめ飾りのデザインを取り入れた商品開発コラボなどを構想中。

ただそれに限らず、様々な人との出会いの中で藁細工の価値を高める在り方を発見するきっかけにしたいと考えています。

中長期的には、藁細工を通して、「その人の心身の豊かさにつながるような体験を届けたい」という想いも。慈観さん自身、藁を編む時間はただ無心に、自分と繋がる感覚になれる大切なひとときだといいます。

一種のマインドフルネスや瞑想体験に近いのかもしれませんが、精神的な余裕や豊かさが今の時代に必要だなと思いますし、言葉で伝える豊かさもあるけど体感する豊かさを求める声も時代とともに増しているように感じます。

藁細工の価値を伝え残す方法の一つとして、そんな心の豊かさを感じられる藁を編む体験をワークショップなどの機会を広めていくなど、様々な手段で共に面白いアイデアを膨らませてくれる方に参加してもらいたいです。

運営よりイチ推しコメント

慈観さんは、とても穏やかな話ぶりの中に、純粋にものづくりが好きだという気持ちが強く伝わってくる方でした。今までに見たことないものを創ることへのワクワク感をモチベーションの源泉にされている慈観さんが生み出す、既存の造形にとらわれないしめ飾りの価値を高めるチャレンジには、根底の価値観に共感できる人との出会いが不可欠です。
このツアーでの出会いをきっかけにコラボレーションが生まれるのが非常に楽しみです!

執筆者(運営メンバー)プロフィール

企画運営メンバー 本間由佳(ほんま ゆか)
蒜山ツアーに昨年から関わり、すっかり蒜山の地域資源と人のトリコに。
その人の「これは面白い!」という視点や今までの人生ストーリーを聞くのが好きな、コミュニティやイベント企画担当。自然豊かな場所に憧れる東京生まれ東京育ち。