お笑い! 知の巨人(たち)
「知の巨人」っていったら「タチバナタカシ」です。
といっても、もうピンと来る人は数少ないんじゃないかと心配になりますが、まだ亡くなってそんなにたってないですよね。。。
なんていっても、タチバナタカシといったら、いまや「N党々主」の方が有名ですからね。
タチバナタカシと聞いて、立花隆、と思い浮かぶ人がいても、「じゃなんで立花隆が知の巨人よ?」と聞かれて、即答できる人はほぼいないんじゃないですか?
時代の雰囲気ってやつですかね……。
少なくとも、私は、この人をまったく評価していないし、20年近く前になりますが、自分のホームページで、この人についてはいろいろと批判記事を書いていました。とくに神戸の少年事件に関して極まれり、という感じではあります。
……なーんて古い話を思い出したのは、今回の「暗殺事件」「国葬問題」でとくに顕著になった「知的なリーダー」的な人たちの「劣化」という現象に遭遇してのことです。
基本的にこの近年、私は時事的な話題を書いてませんでしたので、近年のそういう人々(知的な発言者たち)については何もコメントしてませんでした。
唯一、東浩紀さんについては2001年の段階で、二度ととりあげないと宣言してました(笑)。
それを思い返せば、「劣化」とはずいぶん持ち上げた話で、そもそも「取るにたらない」人たちではあったわけです。
むかしで言ったら「若者たちの神々」(誰もしらんか)、「知の巨人」だけど、それに比べたって、小さくなったなーという感じです。ひょっとして、このネーミング、筑紫哲也が考えたのか?
と、いうことからの連想ではありますね、知の巨人って、単に雰囲気だよなーっというのは。
しかし、そこにはそれだけではすまない、なんか因縁めいたものがあります。
と、いうのは、最近の「劣化」というのは、そもそも「アベガー」問題にからんで、こういう「知」とか「論理」とかを売りにした人たちが、単にアベ応援団であり、ネトウヨに近い思考をしていた。ということが明らかになったとってことだと思います。
そもそも、体制応援団が「時事放談」なんかに出てる右派のおじさん・保守おばさんではなくて、若者に人気のある論客である、ということ自体、私の世代ではありえないことではありますが、それは時代ですから(笑)。
気になるのは、「知の巨人」たる立花隆氏の出世作が「田中角栄研究」、つまり田中金脈問題を追求したとかいうやつです。
田中角栄というと、イコール政治家の汚職、というイメージをつくった人でもありますよね。
この歴史的評価については、いろいろと批判がなされているところです。これによって、自民党=田中派=汚い、というイメージがつけられているわけですが、これが何に有利にはたらいたかというと、官僚支配を強化することになったということが言われてます。
つまり、国民によって選ばれた政治家が、「政治権力」によって政治的に介入して国民のための政治をおこなう、というのが、民主主義の原理なわけですが、このスキャンダラスな情報によって国民の介入力を無力化し、官僚が好き放題にする、という現在の政治体制がつくられたのだ、なんて言う人もいますね。
いや、ほとんど正しいと思います。誰がトクしたか、を見れば。
政治自体を汚いもの、権力を汚いもの、とイメージを固めたという意味でも、この「巨人」の罪は大きいんではないでしょうか。
田中派の系譜をひく、小沢一郎さんは田中ロッキード裁判を最後まで傍聴していたといいますが、「国民の生活が一番」といっている時に、田中角栄モドキの小沢金脈的な事件でつるしあげられ、マスコミもこぞってたたきまくりました。あのとき小沢がたたかれなければ、安倍政権が誕生することもなかったでしょう。
このとき、実は小沢批判を執拗にくりかえしていたのが、知の巨人・立花隆だったことを知る人もいまとなっては少ないんじゃないかと思います。
すでに晩年、という感じだった知の巨人、小沢さんがそんなに気になるのかとあきれてみていたことを思い出します。
そして現在、政治の世界では田中派ではなく、清和会の天下。官僚と仲良くして、官僚の方も忖度し、まさに蜜月という世界になってますが、ここには汚職的なものを感じても、マスコミも一体なので、「説明することはありません」で、すべてが放置されている状況です。
それでもオリンピック、旧統一教会など、ほころびが出てきました。
知の巨人も今生きてたらどんな反応をするのか。
田中派憎しが生きる原動力だったようなので、この状況だと、おそらく政府擁護の方に走るでしょうね。「劣化」をあらわにしてくれてたのかな、と感慨深く思うのでした。合掌。
【追記】と、書いてたら「田中派は逮捕されるけど、清和会は逮捕されないのが日本の歴史」という話を安富さんが語ってました。