【詩】爆破解体
料理は冷めて 円卓の
上は手悪さ会場と化す
下では脚の 矛楯を
振るって君と 膝つつき合う
この食事会 とかいうもので
帰り支度が お気に入り
帰り道こそ オー シャンゼリゼ!
閉会の辞は お断わり
車の中で うなずくは
Kanye Westの "Runaway"の歌詞
「俺から逃げろ 逃げるんだ」
そうだ行け行け! 餞別はなし
全てがダルく 鬱陶しくて
溜め息マシン 音が鳴る
ジャンヌがダルク 誰だよおまえ?
あと5秒したら イヤになる
それから5秒 スマホが光り
画面に踊り 輝く名前
「つまらなかった。ねぇ今ひとり?」
膝チャンバラを した相手
「そうね、そっちは?」「ひとりよ今夜」
胸のあたりで 何やら異変
「じゃあ話そうか」「たとえばどんな?」
耳から流れ 込む阿片
アパートの部屋は さながら離島
ふたり見下ろす 常夜灯
口はぽかんと まだ開いたきり
こうして君の 手を握り
胸に爆薬 導火線伸ばす
かくて日常を 吹き飛ばす
爆破解体 "こい"粉塵で
君の指輪が 見えなくて
君の指輪が 見えなくて
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