【詩】あるモグラの死
蝶番が外れてしまった
僕をかろうじて未来に繋ぎ止めていた
友という蝶番が
太陽に凝視され転がっている
夏の青空はまるで
拒食症モデルのアイシャドウ
膨れ上がる積乱雲は
のっぺらぼうのミシュランマン
舞台『狂気の季節』の死体役に
君は選ばれてしまったらしい
メトロ、君はいつだって必要な時に
僕の寝ぐらの壁をぶち破る
塞ぎ込んだ僕の心を
つるはしで一突きする
ビンゴカードのリーチの箇所に
風穴を空けるように
そしてよく連れ立って
憂さを晴らしに出掛けた
颯爽と歩くジョニー・ウォ