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【医師直伝インフル対策!】 実は市販薬にある『医者が出す風邪薬』6選。【2025年最新版】
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(この記事は2025年1月に最新版に改定・補足しています)
こんにちは、医師・医療経済ジャーナリストの森田です。
インフルエンザが猛威を奮っているところですね。
ということで、 今回は、実は薬局・通販で買える市販薬の中にも「医者が出す薬」がありますよ、の【風邪薬】編です。
「インフルエンザっぽいけど軽症なので病院で薬をもらうほどではない、でもちょっと心配なので薬はもっておきたい。」
とか
「子供が熱を出したけど、元気だしその他は何にも症状がないから市販薬で様子を見ようかな」
などなど、諸々の事情もあると思いますので、そんなときに使ってみてください。
今回は簡単に、
「いつも病院で貰ってるけど実はAmazonとか普通の薬局の市販薬で買える薬」のうちの6つ、
◯解熱鎮痛剤(発熱・頭痛薬) ×2
◯総合感冒薬(熱・鼻水・頭痛など)×2
◯去痰薬
◯うがい薬
を手っ取り早くご紹介します。
ちなみに『6選』と書きましたが、決して全部をおすすめしているわけではありません。そのへんは本文を読めば大体分かると思います。
くれぐれも無理せず、症状が重いときは躊躇なく病院に行ってください。
あと、最後に重要なこと書いてるのでぜひ最後までお読みいただけますと嬉しいです。
◯解熱鎮痛剤
医者が出す解熱鎮痛剤といえば、
「カロナール(成分:アセトアミノフェン)」
「ロキソニン(成分:ロキソプロフェンナトリウム)」
「ボルタレン(成分:ジクロフェナクナトリウム)」
が3巨頭でしょう。
このうち、カロナール・ロキソニンの2つは、薬局・通販の市販薬で買えます。
*なお、風邪は「熱が高いほうが治りが早い」という報告もあります。ですので、熱が出た→「下げなきゃ!」と直結で考える必要はありません。特に子供などは熱があっても走り回ってる元気な子もいますので。
ただ、熱でボーっとしている、食欲も出ない、機嫌が悪い、寝付けない、などで困るようなら、解熱して楽になって、ご飯食べたほうが治りも早いかもしれません。
① カロナール(アセトアミノフェン)
まず定番カロナール。
ロキソニン・ボルタレンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)と比較すると効果はマイルドですが、副作用も少なく比較的安全性の高い薬です。ですので、妊婦さんや子供の発熱では定番です(特にインフルエンザのときはロキソニン・ボルタレンが使いにくいので)。もちろん大人の一般的な頭痛・発熱時でも定番ですね。
こちらの「タイレノール」は、成分が「アセトアミノフェン」のみで、病院でもらう「カロナール」とまったく同じ成分です(含有量は標準的な処方量より25%ほど少なくなっています)。
タイレノール(1錠中アセトアミノフェン300mg、成人は1回1錠)
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小児用
小児用はこちら。こちらも「アセトアミノフェン」のみで構成されてるという意味では、病院でもらうカロナールと同じです。しかも、オレンジ味の上、口の中で溶けるので錠剤を飲むのが苦手な小さな子も飲みやすい。
急な発熱などは子供にはよくあることですので、お子さんがおられるご家庭なら常備されていてもいいのではないかと思います。どうせ病院に行っても子供の解熱剤はこれしか出な…(以下省略)
◎小児用バファリンチュアブル(1錠中アセトアミノフェン50mg)
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② ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)
こちらはCMでもお馴染み「ロキソニンS」。
その名の通り、病院で出る「ロキソニン」と同成分です。前述のとおり、カロナールより鎮痛効果は高いと言われており、ガン(初期)などの重い痛みにも使われます。その反面、インフルエンザ脳症との関連が指摘されていて、基本的にインフルエンザの患者さんには使わないことになっています。胃潰瘍になりやすいなどの副作用もあります。15歳未満にも使えません。また、今回ご紹介する薬のなかで、
こちらの「ロキソニンS」のみ『第1類医薬品』です。ですので、薬剤師さんからの説明と指導を受けてからの処方となります。
Amazonなどで買う場合は、質問に回答し、薬剤師さんによる適正使用の確認後に注文が確定するなどの方法がとられています。(条件を満たさなければ購入できないこともあります。)
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◯総合感冒薬
次に総合感冒薬。
病院で出る総合感冒薬といえば、
「PL顆粒」
「葛根湯」
が定番でしょうか。
いろいろな症状に効くといえば効くし、その割に入っている成分が中途半端な量なので、効かないといえば…(以下省略)。
で、どちらも薬局・通販の市販薬で買えます。
③ PL顆粒
こちらは病院で出る「PL顆粒」と同じくシオノギ製薬が出している「パイロンPL顆粒」。
病院のPLより少し成分が少ないのですが、そもそも…(以下省略)
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④ 葛根湯
「風邪に漢方薬・葛根湯」でお馴染みの葛根湯です。
こちらも一般的な病院で出る「ツムラの葛根湯」と同じくツムラさんから出ています。
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◯去痰薬
風邪をひくと、痰絡みの咳が出ることがありますね。
基本的に、「痰」とは細菌・ウイルスなどの異物を絡め取って体外に排出する正常な防御反応でありますので、痰が出たときは「今回もよく働いてくれてありがとう」と感謝してそのまま静観してしかるべきなのですが…、まあそれはそれとして辛い痰絡みの症状を早く終わらせたい、と思うときもあります。
そんなとき病院でよく出るのが
「ムコダイン(成分:カルボシステイン)」
「ビソルボン(成分:ブロムヘキシン)」
「ムコソルバン(成分:アンブロキソール)」
などですが、この内、「ムコダイン」、「ビソルボン」は薬局・通販の市販薬で買えます。しかも、合剤(2つの成分が1つの薬に入っている)で。ちなみに、含有量は病院の薬の半分くらいですが。
⑤ ムコダイン・ビソルボン
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◯予防のうがい薬
うがい薬といえば、「イソジン」ですね。
昔はカバさんのCMもやってました。
いまでも、外来でも「うがい薬を出してくれ」と言うリクエストは多いのですが、こちらももちろんわざわざそのために初診料払って病院にいかなくても薬局・通販の市販薬で買えます。
⑥ イソジンうがい薬
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とはいえ、そもそもイソジンなどのヨード系うがい薬の効果はかなり疑問でして、「ただの水の方が効果があった」という衝撃の報告もあります(^_^;)。
(Satomura K. Am J Prev Med. 2005;29:302-7)
僕が研修医の頃はまだ、手術後の傷口にも毎日「イソジン」で消毒して回っていましたが、今はもう「イソジン消毒はしない、もしするなら水で洗浄」が医学界の常識です。(子供のころ「転んだら赤チン(ヨード系消毒液)」が当たり前だったのが、いまは「水で洗え!」が定番なのと同じですね。医学の常識も日々変化するものです。)
以上、「実は薬局・通販で買える医者が出す薬【風邪薬】6選」でした。
まとめ①
新型コロナ含めインフルエンザも、そもそも世間一般で風邪とされているもののほとんどが「ウイルス性の感冒」と言われており、実はその「ウイルス性の感冒」を根本的に治す(つまり風邪のウイルスを殺してくれる)薬はほとんどないんですよね。(ま、今回のコロナ騒動でコロナを治すという新薬がいくつか出てきましたが、結局ラブゲリオもアビガンも全然ダメだったわけで…)。
今回ここで紹介したような薬剤、解熱剤も去痰薬も総合感冒薬もすべて基本的に「風邪から引き起こる症状」を抑える薬、つまり「対症療法」です。
じゃ、誰が治してくれるの?と言うと、最終的には「自分の体力・免疫力が頼り」、ということになります。そのためには、安静・休養、さらに水分・栄養をしっかりとることが重要です。
それを知った上で、少しの手助けとして上記の「薬局・通販で買える市販薬」を使う、という感じのやり方が上手な薬の使い方なんじゃないかな、と思います。
まとめ②
医師なのに病院の処方薬を勧めずに市販薬を勧めるとはどういうことですか?という質問をよく受けます。
実は、医師法第1条にはこう書いてあります。
「医師は医療および保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上および増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」
つまり、医師の本分は国民の健康な生活を確保することであって、手術も高度医療も専門知識も病院医療も在宅医療も、そのための道具でしかないわけです。そういう意味では、処方薬でも市販薬でも国民の皆様の健康に役立つものであればどちらでも構わないのです。
海外の家庭医は、市販薬が有効なのであれば処方箋を出さずに「薬局でこの薬を買ってくださいね」とか、「次に同じことでお困りのときは薬局でこの薬を‥」と勧めることも多いのです。
もちろん、一般の方が市販薬を使うことによるリスクもあります。しかし、上手に使えばそのリスクを上回る利便性が見込めることもあります。それなのに、日本では医師が市販薬を勧めることは殆どありません。
医療業界の金銭的な利益に惑わされることなく、「国民の健康を確保する」のための一つの手段としてこのような情報提示をすることを厭わない。
僕はそういう医師でありたいと思っています。
注:この記事は投げ銭形式です。
医療は誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」、
という信念なので医療情報は基本的に無償で提供いたします。
でも投げ銭は大歓迎!\(^o^)/
いつも一人で寂しく(しかもボランティアで)
原稿を書いているので、
皆様の投げ銭から大いなる勇気を頂いております!
ありがとうございますm(_ _)m
■僕の本
![](https://assets.st-note.com/img/1736907836-WZdQC0gqIGeYaVvOX39BSHc5.jpg?width=1200)
■内容(はじめにより抜粋)■
2019年に始まった新型コロナウイルス騒動。
医療業界をはじめ行政やメディアに先導されたこの騒動は、残念ながら「経済を壊し」「人々の絆を断ち切り」「自殺数を増加」させてしまった。
私は経済学部出身の医師という立場から、このような過剰な感染対策によるデメリットを憂いていた。そしてそれを問題視する発信を続けてきた。だが、この「過剰にコロナを恐れてしまう風潮」は2022年になっても依然として継続している。
2022年1月の全国高校サッカー選手権の準決勝では、選手2人に新型コロナ陽性反応が出たとのことで関東第一高校が出場を辞退した。
まるで「コロナに感染したら社会の迷惑・厄介者」と言わんばかりの対応だ。感染してしまった当該生徒の気持ちを察するに余りある。
コロナ騒動が始まってもう2年も経っているのに…
社会の過剰反応は当初と何も変わっていないように感じる。
今後もこのような風潮が続くのであれば、それこそ「新しい生活様式」となって社会に定着し文化になってしまうのだろう。
私はそんな「家畜」のような生活を、感染を恐れて人との絆や接触を断ち切るような社会を、絶対に子どもたちに残したくない。
そんなやりきれない思いが日々高まってゆき、我慢できなくなったのが、本書を書こうと思ったきっかけだ。
■タイトル・内容の過激さから数々の出版社から書籍化を断られクラウドファンディングによる自費出版となった本書。
一夜にして目標額を達成し、その注目度は医療にとどまらず人文・社会科学にも広がっている。
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■著者:森田洋之のプロフィール↓↓
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https://note.mu/hiroyukimorita/n/n2a799122a9d3
夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)