カスタマーサポートのレポーティング
CS HACK Advent Calendar 2020の3日目の記事を執筆しました。
■カスタマーサポートとは何か?
アマゾンが地球上で最もお客様を大切にする会社として有名ですが、その一つの理由がカスタマーサポートに多くの人員を割いてるいるからだと言われています。メガベンチャーとして有名なメルカリも同様に黎明期から人員を多く割き、社員の半数以上をカスタマーサポートに充てています。
では、なぜ成長企業がカスタマーサポートに人員を多く割いているのでしょうか。それは顧客との接点を増やし、顧客の課題を明確化できるからです。
また「問い合わせ」と辞書を引くと「不明な点を聞いて確かめる」と記載されています。つまりカスタマーサポートとは、顧客との接点を増やし、不明な点や不満な点を明確化し、その課題を開発や経営に活かすことができるからです。
カスタマーサポートの業務はユーザーへ適切に回答をするのと同じくらい問い合わせデータをレポーティングし、開発や経営へ自社のサービスに活かすことが重要です。
■レポーティング方法
多くのカスタマーサポートの人が、何をどのような方法でレポーティングするか悩んでないでしょうか。
大事なポイントは「定量」と「定性」の2つです。
「定量なレポート」は、Zendeskなどのレポーティングシステムをそのまま活用し、Googleスプレッドシートでまとめてからグラフにするのが良いでしょう。そこで気を付けることは自分の意見と解決策を持つ事です。
例)問い合わせ件数○○件。キャンペーンの影響で問い合わせが殺到し、先週に比べ150%増えた。問い合わせ内容は、「キャンペーンはいつ終わるのか。」が最も多かった。解決策として、LPの申込ページに注釈を添える。既にマーケティングチームに依頼し12月27日には完了予定。
このように、毎週Slackやメールに添えて関係各位に連絡すると、他部署との連携がスムーズに進みます。
次に「定性なレポート」とは何か?これは顧客からの問い合わせをダイレクトに伝えるためのものです。切り分けはポジティブ、ネガティブに分けると良いでしょう。入手方法はメールやチャットできた問い合わせだけでなく、Twitterもおすすめです。Twitterのエゴサーチはエモーショナルな内容がリアルタイムで入手できるからです。Twitterの検索窓に「検索したいワード since:年-月-日」と入力すると、検索したいワードが、指定した年月日から現在までに絞り込んで表示させることができます。to Cサービスの場合、サイレントクレーマーの声が聴けるのでとても有効です。
例)
ポジティブ
・○○のサービスマジで最高!!!
・家族で利用して今年一番の買い物でした。
ネガティブ
・購入したのは良いけど、届くのがめっちゃ遅いし使いづらい。
・申込サイトが異様に使いづらく諦めてしまった。
ポジティブとネガティブを分けると伸ばす点と改善点がみえ、やるべき事が明確になってきます。
■バグの起票
次に事業が拡大すればするほど、どんな優秀な監視システムやリリース前の入念なテストよりも、問い合わせからのバグ発見の方が早く比率が高くなって行きます。バクや障害の問い合わせがきたらプロダクトチームへの起票について以下のような内容を意識すると良いでしょう。
①自身の検証アカウントで再現するか。
②いつ、どこで、どんな症状で、どういう操作をしたら起こるか。
②影響範囲は、部分的なのか、全体なのか。問い合わせはどれくらいきたか。
④エラーコードは表示されているか。
⑤暫定対応がある場合、どうしたか。過去に似たバグや障害があったか。
上記項目を最低限書くとプロダクトチームの人は作業しやすく、復旧や改修に向けて当たりが付けやすいと思います。尚、分かりづらい操作の場合、画像やGIF動画を追加し、感想や思い込みを排除し事実を伝える事が大事です。
■終わりに
あくまで一例を上げましたが会社によっては、より詳細なデータを要求したり、レポーティング頻度が上がったりします。開発や経営へのレポーティングを上げるだけではなく、カスタマーサポートチームでもレポートを活かす事が大切です。具体的にレポートを読み解き、よくある問い合わせをFAQやメールテンプレートに追加、AIチャットボットのチューニングなど、業務改善を意識しましょう。
カスタマーサポートは顧客と会社を繋ぐパイプ役となる大切な部署です。お客様の声にはたくさんの情報が詰まっています。一つ一つの問い合わせを大切にして行きましょう!
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