【現代詩】海の痛み　山の叫び

黄金の糸で編んだシルクの海は
まるで海の神の寝具のように揺蕩う
甘い痛みによってうみぞこはずれて

山は龍信をつかわした
天月船が現れとりかこむ　
太陽は二つにちぎれる

壊れた鉄車は龍の川を昇り
牛鬼から夏の海
たどり着く地獄
火の陸を横切り
外輪山の地霊たちとダンスを踊る
日の花を着て火の刀を携えて

黒城が睥睨する迷路の街
その地下　横丁で　
馬の喉笛を食いちぎりながら
目撃する梟と馬
亀と鴉の婚姻

知れと言っているが
それ以上でも以下でもない
やりとりにも飽きた
根の国から火の国へ動いた
ただそれだけのこと