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夢二夜 

二夜つづきの夢を見た。このところ、詩を書くために、いろんな地獄について、調べていたが、僕の夢は、自分にとっての地獄は何かということを教えてくれているような気もする。寝ている時にそれをされるのは些か困るが、仕方ない。
それは、際限のない、欲の連鎖である。欲によって、乾きが起こり、そこには、怒り、絶望があり、それを満たすために、人間は、嘘をつき、盗み、人を殺し、事物を破壊する。自分以外の人間が、それを達成すれば、嫉妬に狂い、なんとか、貶めようとする。

人間の悪業は、古くから、変わらず、欲に結びついている。キリスト教に七つの大罪あり、暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、傲慢、嫉妬の7つの罪。
仏教にも十悪あり殺生、偸盗(ちゅうとう)邪淫、妄語(もうご)両舌、悪口(あっく)綺語、貪欲(とんよく)瞋恚(しんに)邪見と、それぞれ現れが違うだけで、つまるところは、人の過剰な欲と結びつく。

僕の場合、さまざまな物語が 家族と結びついているようだ。妻は登場しない。あまりに現実だからだろうか。あるいは、夢の中でも、邪魔しないように控えてくれているのかもしれない。息子たちも登場しない。
娘と、親しい女、父と母、街の人達が登場する。この夢に関して、さまざまな分析が可能だろうが、とりあえず、今回は読める形にまとめておくにとどめる。明日、この夢をもとにして詩を書いてみよう。

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まず、青年期の僕が登場する。僕は、実家に女を呼んだ、僕のことを愛した女であるが、最近は、どういうわけか距離を置かれている。おそらく他の男と揉めているか、女性特有の病である。僕が嫉妬に狂うのは、筋違いだから、理由を病気ということにして、納得させた。彼女はいつも白いベッドにいる。白いバスロープを着ている。

僕は、なぜか、女を連れ込んだことを、まだ50くらいの親に見つかり、彼女はあわてて、水着で、家を出て行った。怒ってはいなかった。麻布の彼女のマンションに出かけたが、結果、そこで、彼女の情夫に会ってしまった。

場面は変わり、僕は、白い木の引き戸で目隠しをしようとしたが、壊してしまい、隣の応接で、タバコを吸っていた父親に見つかって、なぜかメスで、肩を切られた。

それが昨日の夢である。

ここからは、今日の夢。その女はまだ、僕の家にいた。僕の母親が、父の浮気やこれまでの屈辱に耐えかね、コンサルタントと、散財の計画を立てていた。

僕の部屋で。妹は、友達を2人呼び、その2人のことを僕はどちらも好きだった。2人とも僕に気のある感じだった。僕は、そのうちの1人と風呂に入った。そこには父親の友人たちが、たくさんいた。僕は丁寧に挨拶した。
  
その後、その2人を連れて、山の上の宿泊所に行った。駅のホームで反対側に立っていると、青年会議所の役員がコートと、カバンを隣のホームから投げてよこした。場所は長野だったと思う。山の中で何度も訪れた場所だ。

拾ったメガネの耳柄が何故か、交換されていて、耳のところが壊れていて、絶望的な気分になった。それをとても気に入っていたからだ。山の上の宿泊所で、僕は1人の女とねんごろになった。ベッドに入る前に、シャワーを浴びていると、そこにもうひとり女がいて用をたしていた。
 
「あっ 磯崎さんだ ラッキー」
と言われて、嬉しくなり、前の女を忘れて、その女を誘い出し、庭に出ると、商工会のおじさん、おばさんがどんチャン騒ぎをしていた。女は、そちらに引き摺り込まれ、僕は1人になった。

その後、僕は娘と、街の高級クラブに出かけ、馴染みの女を呼んだ。目の前に手品師のような男が座っている。そいつは北欧の出身のようだった。口の書き方が悪いと、僕は怒りだし、口汚く罵り、テーブルのシャンパングラスを割った。支配人が来た。それは、銀行の副頭取だった。「会計を」と言えば、引き止められると思ったら、逆に会計をされてしまった。「磯崎さんの、いく店はたくさんあるでしょう」と冷たく言い放たれた。娘は困っていた。そこで目が覚めた。
  
荒唐無稽な 話である。つまらない出来事の連鎖でもある。恥ずかしい自分の内面の断片の吐露でもある。最近読んでいる小説の影響もありそうだ。夢は、論理性が全くないから連なっていくだけである。つながりになんらかの理由はあるのだろう。登場人物と、起こったことが僕の何かを反映していると考えるのが正解だろう。
 
家族、お金、女、コミュニティ
言語化すれば まあ つまらない話である。文学者は、もっと綺麗な夢を見なくては、と思ったが、仕方ない。美しさに憧れるのは、自分が下劣だからである。
 
今日のところはそういうことにしておこう。

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