Amazonレビューが一晩で700つくと著者はパニックになる
12月16日深夜、六本木のテレビ局でお仕事した後、何気なく帰りのタクシーの車内で『おカネの教室』のAmazonリンクを開いた。
(あれ? なんか間違えたな。違う本だ)
そう思った。レビューが多すぎたからだ。
1487件。
でも、自分の本だ。
でも、そんなはずはない。
つい先日、5年近くかけて、ようやく1000件に届いたばかりなのだから。
前日時点では確か1004か1005だったはずだ。
何かの間違いだろう、すぐ修正されるだろう、と思って5分おきくらいにリロードするたび、数字は増え続けた。
悪い夢でも見ているような気分だった。
『おカネの教室』の場合、Amazonレビューは2〜3日に一件くらいしかつかない。
どんなベストセラーでも、1日で数百もレビューが増えるなんて、異常だ。
急増と一緒に、五つ星の割合が高まっていたことも気がかりだった。
こちらが1000件突破時。
これが、こうなった。
あふれるサクラレビュー感。
困惑した私はこんなツイートをした。
振り返ると、軽いパニック状態だった。
Amazonレビューは、ご存知の通り、サクラまみれの修羅の国だ。
この時、私の中でこんな陰謀論が膨らんでいた。
(誰かがその手の業者に頼むなり、botを使うなりして、レビュー数を急増させているに違いない)
(意図は分からないが、イタズラか嫌がらせなのだろう)
(いったい、誰が? ……ヤツだ。先日、押上駅の自販機で「ヤクルト1000」を4本買った時、後ろに並んでイライラしていた、あの男)
(あの後、1本か2本で売り切れたのだろう。ホクホクと4本もコートのポケットに入れた私を隠し撮りして、画像検索したんだ)
(顔出しでTwitterなんてやってるから特定されたのだ。ああ、そうだ、そうに違いない。Twitterと弾幕の薄いヤクルトが悪い)
後半ちょっと盛っているが、まぁ、こんな感じだ。
妄想は膨らむが、何ともし難い。
一応、「変なことになってるんだけど」とミシマ社の編集アライさんに連絡を入れ、友人数人と家族に愚痴をこぼし、ビールを飲みつつスプラトゥーン3をやって、眠りについた。
一夜明けてみると、急増は止まっていた。
編集アライさんからは、他でも急増したのを聞いたことある、という趣旨の返事が来ていた。
レビュー急増が止まり、冷静になった私は軽い朝食と軽いスプラトゥーン3の後、考察を深めた
暫定的な見立ては以下の通り。
・Amazonはサクラ対策で「コメントなしレビュー」をいったん保留している
・定期点検でOKとなれば反映する
・膨大な商品の中で、バカみたいに売れてない限り、「古い本」は点検で後回しにされる
・もうすぐ5年経つ『おカネの教室』は数年単位で点検の対象外になっていた
・ところが今年は地味に紙とKindleで数千部売れた
・点検対象に復活。マグマのような保留分が一気にリリースされた
冷静になると、急増分の全てが五つ星というわけでもない。
念のため、サクラチェッカー大先生にお伺いした。
サクラ度、0%
安全な商品です!
ソフトカバーなので鈍器としても使いにくい。安全です。
ちなみに「マッサージガン」「美顔器」などでサクラチェック!すると、一面の地雷原が広がっている。
ということで。
パニックで陰謀論のダークサイドに墜ちましたが、膨大なレビューの全ては読者の皆様から頂戴したものと認識を改めてました。
ご愛読ありがとうございます!
「それにしても、5万部という発行部数にしてはレビューがちょっと多すぎるのでは」と思う方もいるかもしれない。
これは恐らく、Kindleでたくさん読まれているから、だと思われる。
Kindle Unlimitedで実質無料で読まれている分も換算すると、紙よりKindleの方が「部数」は多いのだ。6万とか、7万とか行ってるのではないだろうか。
普通、Kindleは紙の10分の1くらいなので、そこそこ売れてて逆転してるのは珍しいと思う。
Kindleは、読み終えると「星、いくつ?」とレビューを催促されるから、ポコポコと増えやすい。
ここからはまたまた想像なのだが。
常にKindle Unlimitedに入っている本は、先ほどの仮説の「定期点検」の対象になっているのではないだろうか。
『おカネの教室』はキャンペーンの間だけ読み放題対象になるので点検の対象外だったのでは。
実は以前から「ランキングで隣近所に並ぶマネー系のロングセラーと比べると、『おカネの教室』のレビューは少なめだな」と感じていた。
売れ行きの違いなのだろう、すごいな皆さん、と思っていたのだが、一気に「そんなモンだよな」という数字な追いついた。
仮説でしかありませんが。
ということで、オチも何もない、備忘録でした。
あー、びっくりした。とんだクリスマスプレゼントだったな。
あらためて。
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