『鎌倉殿の13人』を今更イッキ見する出遅れ勢のためのガイド【ネタバレ無し】
『鎌倉殿の13人』の最終回を12月25日の日曜日に見た。
放送日の1週間後だ。出遅れにもほどがある。
でも、違うのだ。
私が『鎌倉殿』の第1回を見たのは、最終回の放映後だった。
つまり、全48回の大河ドラマを1週間でイッキ見したのだ。
正確には6日間で見てしまった。
約34時間を1日6時間弱、8話ペースで見てしまった。
1日5カマクラの日もあれば、10カマクラを超えた日もあった。
起きたら1~2カマクラ。昼休みに1カマクラ。
移動時間に1カマクラ。夕食後に3カマクラ、睡眠時間を削って2カマクラ。
そんな状態だった。休みの日はご飯を食べているか、カマクラか、だった。
さすがに無茶だった。
先に「沼」にハマった経緯をまとめておく。
イッキ見ガイドのみにご興味がある方は以下の項、飛ばしてください。
苦悶の日々と誤算
『鎌倉殿』は前評判が高く、開始間もなく絶賛の嵐が起き、中盤を過ぎると週末ごとにツイッターに中毒患者たちの熱病にうなされたようなマゾヒスティックな感想があふれた。
私は完全にこの波に乗り遅れた。
悔しかった。
でも、今から見返して追いつくのは、もっと悔しい。
私は後悔をバネに、こう誓った。
「放送終了直後、年末年始に1日3~4話ずつくらい、どっぷり浸かって『鎌倉殿』を見倒してやろう」
この1年、リアタイ勢が「来週はどうなるのか」と苦悶する姿を見てきた。
こちらは「もう終わっている」のだ。
腰を据えて、存分に堪能してやる。
じっくりと自分のペースで味わって、見返してやる。
はずだった。
甘かった。
だって「もう終わっている」のだ。
見ようと思えば、見られるのだ。オンデマンドなのだ。
止まるはずがないのだ。
ということで、以下のイッキ見ガイドは睡眠不足と生活崩壊を招いた誤算の教訓から始める。
『鎌倉殿』イッキ見ガイド(ネタバレ無し)
① 時間と覚悟を
『鎌倉殿』の破壊力は凄まじい。
8話『いざ、鎌倉』を超えたら、何かを犠牲にする覚悟が必要だ。
犠牲にしてはいけないものまで犠牲にしないで済むよう、準備を怠ってはならない。
② 予習は不要
私の視聴前の知識は、おそらく日本人の平均レベルだったと思う。
世界史選択だったのもあって鎌倉、室町あたりは「ディテールが抜けている」ゾーンだ。
本で言えば、大昔に吉川英治の『新・平家物語』と義経モノの時代小説を2冊くらい(題名は忘れた)、歴史マンガで北条政子は読んだくらい。
大雑把に言うと、知識はこの程度だった。
(常識の範囲内すぎるのでネタバレではないと思います)
・平家がとにかく威張っている
・なかでも清盛が感じ悪いほど威張っている
・後白河法皇は終始、ろくでもない
・その後、平家が滅亡して鎌倉幕府ができる
・戦の天才の義経は寝技のプロ頼朝にやられる
・頼朝が死ぬと、よく分からないうちに、北条が偉くなる
・なかでも北条政子が、なぜかとても偉くなる
・承久の乱が起きて本格的な「武士の時代」が来る
くらいの感じだ。
「高校の日本史で習ったけど、忘れちゃった」くらいのレベルだろう。
結果として「これで十分」だった。
それでちゃんと分かるようにできている。予習は不要です。
③「女」から目を離すな
時代劇はどうしても男中心の物語になる。
だが『鎌倉殿』は違う。全体を通してウエートは男6:女4くらい、後半になると女性の情念のようなものがストーリーを駆動していく場面が多い。
「仁義なきホームドラマ」というか、「30時間以上続くゴッドファーザー」だと思っておけば良い。
史実がどうなのかは知らないけれど、ドラマとしてはそういう作りだ。
女たちの動機や思考の流れをしっかりとらえるため、女性の登場人物の家系や嫁ぎ先、それぞれの子どもの地位をきちんと覚えておこう。
人物相関図などがネットに落ちているが、ネタバレのリスクが潜んでいるので私は回避した。
ちゃんとドラマを追っていれば自然と人間関係は入ってくるし、忘れる前に「次」を見てしまえば良い。リアタイ勢に対する優位だ。
特に主人公・北条義時(小四郎)とその周囲の女性については、発言や人間関係を含めて、しっかり頭に入れながら見た方が良い。伏線だらけである。
④ペースをどう守るか
本稿の最重要パートである。
健康のためには適切な睡眠時間が不可欠だ。
夜中の2時過ぎに「もう1話だけ…」となるのは、避けなければならない。
下手すると、いや確実に夜中の3時からもう1話見る羽目になる。
経験者として、独断と偏見で視聴ペースと「区切り」を提案する。
・1話~6話
この辺りまでは理性でコントロール可能だ。先が気になって悶絶するほどではない。2、3日おきに1話、でもいけるはず。
・7話~13話
徐々にリスクが高まる。
毎日見てしまうのは避けられないだろう。
2話、3話と続けて見たくなるだろう。
だが、ここはできれば1日1話に抑えた方が良い。
この後に急な坂が待っているからだ。
・14話~20話
前半の最も危険なゾーンだ。
下り勾配が鵯越並みにきつくて止まれない。
致命傷にならないのを祈りつつ、人生の何かを犠牲にするしかない。
できれば「手前」でこのゾーンを週末や連休に調整しよう。
・21話~26話
もう「できれば全部一気に見たい」という欲求は抑えがたい。
人間だもの。
私の中の悪魔は「もう、見ちゃいなよ」と囁く。
しかし、犠牲にしてはいけない何かが犠牲になりかねない。
うまく23話まで1日1話で乗り切ろう。
その後は真っ逆さまだ。
・27話~38話
さあ、恐ろしいことに、ここからが本番だ。
この辺りからは「1日3カマクラ」程度は投入できる時間を確保しておこう。
ドミノ倒しを避ける方策は「一人消えたらいったん休止」くらいしかない。
「まさか」という登場人物たちが、謀殺や失脚で次々と舞台を去っていく。
「次は誰だ」と気になる。
でも、一人消えたら、我慢しよう。
大丈夫、すぐまた誰か消えるから。
・39話
明確に一息入れられるのは、この回で終わりだ。
十分な時間・食料・水分の確保も無しに、40話に進んではいけない。
・40話~48話
何も言うことはない。自由落下せよ。
・最初から見返す
今、ここ。
試聴が終わった方に
再試聴とともに、ようやくネタバレや関連コンテンツが楽しめる。
たとえば、この辺り(大泉洋は視聴前に見てしまった。抜群に面白い)
今後も備忘録を兼ねて追記していこうかな。
いやー、面白かった!
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