【呼吸器系改善】肺の生薬を解説!
肺を補い改善する生薬には、それぞれが属する植物の科名があり、それに応じた特定の効果を発揮します。以下に生薬とその科名を詳しく説明します。
1. 黄耆(おうぎ)
科名: マメ科(Fabaceae)
特徴: 黄耆は、体を元気にし、免疫力を高める効果がある生薬です。気を補う作用が特に強く、肺のエネルギーを充実させます。
作用:
補気: 肺の気を補強することで、呼吸器系を健康に保ちます。
免疫力向上: 体の防御機能を高め、風邪や感染症に対する抵抗力を向上させます。
全身の強壮: 体全体のエネルギーを補い、疲労感や虚弱体質を改善します。
2. 麦門冬(ばくもんどう)
科名: ユリ科(Liliaceae)
特徴: 麦門冬は、体内の潤いを保つ作用があり、肺の乾燥を改善します。滋潤作用があり、特に乾燥した咳や喉の渇きに効果的です。
作用:
滋潤肺陰: 肺に潤いを与えて、乾燥による咳を和らげます。
熱を冷ます: 肺の熱を取り除き、炎症を抑える効果があります。
3. 天門冬(てんもんどう)
科名: ユリ科(Liliaceae)
特徴: 天門冬も麦門冬と同様に肺の陰を補う生薬で、強力な潤い作用を持っています。肺だけでなく腎にも働きかけ、体全体の陰を補います。
作用:
補陰: 体内の潤いを増やして、乾燥からくる症状を改善します。
止咳作用: 乾いた咳を抑え、肺を保護します。
4. 百合(びゃくごう)
科名: ユリ科(Liliaceae)
特徴: 百合は、ユリの根を使った生薬で、肺を潤し、心を落ち着ける作用があります。潤いを与えるだけでなく、精神の安定にも役立ちます。
作用:
潤肺: 肺の乾燥を防ぎ、咳を和らげます。
鎮静作用: 精神を安定させ、不安感を和らげる効果があります。
5. 枇杷葉(びわよう)
科名: バラ科(Rosaceae)
特徴: 枇杷の葉を使用した生薬で、肺の熱を冷まし、痰を取り除く作用があります。咳を鎮め、呼吸を楽にする効果があります。
作用:
止咳去痰: 痰が絡む咳を改善し、痰を排出しやすくします。
清熱: 肺の余分な熱を冷ますことで、炎症を抑えます。
6. 胡麻(ごま)
科名: ゴマ科(Pedaliaceae)
特徴: 胡麻は体を潤す働きがあり、肺の乾燥を和らげます。肺を潤すだけでなく、全身の滋養にも役立ちます。
作用:
潤肺: 肺の乾燥を防ぎ、喉の渇きを和らげます。
栄養補給: 体を滋養し、エネルギーを補充します。
7. 桔梗(ききょう)
科名: キキョウ科(Campanulaceae)
特徴: 桔梗は、痰を取り除き、呼吸を楽にする生薬です。肺に溜まった痰を排出する作用があり、呼吸器を浄化します。
作用:
去痰作用: 肺にこもった痰を解消し、呼吸を楽にします。
咽喉の改善: 喉の腫れや痛みを和らげます。
8. 辛夷(しんい)
科名: モクレン科(Magnoliaceae)
特徴: 辛夷は、コブシのつぼみを使った生薬で、辛味が強く、鼻や粘膜の通りを良くする作用があります。特に鼻づまりや副鼻腔炎に効果的です。
作用:
通鼻作用: 鼻づまりを改善し、呼吸をスムーズにします。
粘膜の保護: 粘膜の炎症を鎮め、鼻の通りを良くします。
まとめ
肺を補う生薬は、補気(黄耆)や潤いを与える生薬(麦門冬、天門冬、百合など)を含む多様な効果を持っています。また、痰を取り除く(桔梗)、熱を冷ます(枇杷葉)、鼻づまりを改善する(辛夷)など、特定の症状に応じて用いることが可能です。各生薬は、特定の科に属し、その特性に応じて肺の健康を支えます。