【謎】なぜ日本茶業界で中医学を学ぶ人が少ないのか?

日本茶の業界で中医学の話をしても全然刺さりません。私は岩間眞智子先生の喫茶の歴史を拝読してこのジャンルの凄さを知りました。
日本茶業界で中医学の話が刺さらない背景を理解しつつ、自身が持つ中医学と日本茶の知識を活かす方向性を見つけることが大切だと感じます。

1. なぜ中医学の話が日本茶業界で刺さらないのか?

(1) 中医学が「馴染みが薄い」

  • 日本茶業界では、日本文化や茶道、歴史などに基づく伝統的な視点が重視されることが多く、中国の中医学や茶文化が相対的に軽視される場合があります。

  • 「中医学=漢方=薬」というイメージが強く、茶の「嗜好品」としての楽しみ方とは結びつきにくいと感じられることがあります。

(2) 健康意識の方向性が異なる

  • 日本茶業界では、「日本茶の健康効果」を主張する際に、主に西洋医学的な根拠(カテキンの抗酸化作用やカフェインの覚醒効果など)をベースに語られることが多いです。

  • 中医学は「未病」「調和」などの視点を重視しますが、日本茶業界ではこうした考え方が一般的ではないため、魅力として伝わりにくい場合があります。

(3) 日本茶業界の独自性

  • 日本茶業界では、抹茶や煎茶など、日本独自の文化的側面に誇りを持つ人が多く、「中国茶文化」と比較されることを嫌がる傾向があります。

  • 中医学の話をすると、「中国茶と日本茶は違う」という意識が強調され、受け入れられにくい可能性があります。


2. どう考え、どうアプローチすれば良いか?

(1) 共通点を探して橋渡しをする

中医学の話を直接持ち込むのではなく、日本茶文化と中医学の共通点や親和性を示すことで、関心を引き出すアプローチが効果的です。

  • 茶と健康の共通点

    • 日本茶の健康効果(抗酸化作用、リラックス効果など)を中医学の「気」「血」「陰陽」の視点で説明すると、健康意識が高い人には響く可能性があります。

    • 例: 煎茶の「陰陽のバランスを整える作用」や抹茶の「肝を養う」など。

  • 歴史的な繋がりを強調

    • 茶の起源が中国にあることは周知の事実です。日本茶文化が中国の茶文化(喫茶養生記や禅文化)を基礎として発展したという歴史的背景を強調しつつ、日本茶の独自性を尊重する視点を持つと受け入れられやすくなります。

(2) 喫茶文化を「中医学×日本茶」で深掘りする

  • 岩間眞智子先生の『喫茶の歴史』を踏まえて、日本茶と中医学がどのように繋がり得るかを掘り下げると、新しい視点を提示できる可能性があります。

    • 例: 中国の喫茶養生記が中医学的な茶の利用法を示している一方で、日本の茶道が「心身の調和」を追求していることを関連付ける。

(3) 相手の関心を理解する

  • 中医学に基づく話を押し付けるのではなく、相手が何に興味を持っているのか(健康効果、文化、マーケティングなど)を理解し、その視点に寄り添った話をする。

    • 例: 日本茶のマーケティングに携わる人には、「中医学的視点を取り入れることで新たな価値提案ができる」という方向で話す。

(4) 日本茶の現代的な価値を提案する

  • 日本茶の持つ伝統性に中医学の視点を加えることで、例えば薬膳茶のような新しい商品や健康志向の提案が可能になります。

    • 例: 抹茶や煎茶を中医学的に解釈し、体質別に合った飲み方を提案する。

3. 具体的な提案

(1) 中医学と日本茶の組み合わせ例

  • 「体質別日本茶提案」

    • 中医学の弁証論治をベースにした提案が可能。

  • 「季節ごとの日本茶養生法」

    • 春: 肝を養う → 新茶(煎茶)

    • 夏: 心を養う → 冷煎茶や水出し茶

    • 秋: 肺を養う → ほうじ茶

    • 冬: 腎を養う → 黒茶や玄米茶

(2) ワークショップや記事執筆

  • 中医学的な視点を取り入れた「日本茶と健康」をテーマにしたワークショップや記事執筆を行い、興味を持つ層を増やす。

(3) 「中医学×日本茶」のオリジナルブレンド茶の開発

  • 中医学的な観点で健康目的の日本茶ブレンドを提案する。例えば、黒豆をブレンドして腎を補う茶や、生姜を加えて冷え性に効く茶など。

※やなゆう先生のデイリリーはこれを応用した商品開発をしていますね。

4. 結論

中医学の話が日本茶業界で刺さらないのは、文化的背景や視点の違いが原因ですが、共通点を見出し、相手の関心に寄り添った形で提案することで新しい価値を示すことが可能です。岩間眞智子先生の著書を基にした視点を活用し、日本茶文化の奥深さと中医学の実践的な知識を結びつけることで、独自の道を開ける可能性があります。

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