【夏の料理と暑いのを防ぐ方法】食養生薬膳

夏の薬膳に適した調理法について、もう少し詳しく解説します。夏は気温が高く湿気も多い季節なので、食事での体の調整が重要です。薬膳では「体を冷やしすぎない」「潤いを保つ」「湿気を排出する」という3つの観点を大切にしています。

1. さっぱり・あっさり系の調理法

夏には、脂っこくない軽めの料理が体に優しいとされています。調理法は、ジュース、サラダ、和え物、澄まし汁、煮物、お粥、発酵食品、漬物、素麺、蕎麦、寒天寄せ、スープなどが基本です。これらは体に負担をかけず、暑さで奪われやすい水分を補給しやすい料理です。

  • ジュースやフルーツ:夏は汗をかくため体から潤いが失われやすく、水分を摂ることが大切です。フルーツジュースや野菜ジュースは、体に潤いを与える良い方法ですが、季節外れや体が冷えている時には避けた方が良いとされています。特に、梅雨時期や湿度が高いときは湿が溜まりやすくなるため、これらを控えるのがポイントです。

  • 寒天寄せ:夏のデザートとして最適で、体に熱をこもらせない寒天寄せが勧められます。アイスクリームは冷たいですが、乳製品が湿を溜め込むため、胃腸が弱りやすい時期には寒天を使ったゼリーやジュレが良いでしょう。寒天は海藻由来で、体を冷やしつつ潤いも補ってくれます。

2. 冷たい食べ物の選び方と注意点

冷たいものは体温を一時的に下げるだけで、内部にこもる熱や湿を取り除くわけではありません。アイスクリームのように乳製品や砂糖が多く含まれるものは、湿気を溜めてしまう可能性があり、かえって喉が渇きやすくなることもあります。

  • 寒天とゼラチンの違い:寒天は海藻由来で体を冷やす効果があり、熱を排出するのに役立ちます。一方、ゼラチンは動物性で体の熱を冷ます力はないため、ジュレなどの潤い補給としては良いですが、体温調整には寒天の方が適しています。

3. 体温調整のための温かい飲み物の取り入れ方

夏でも体が冷えるのを気にして温かい飲み物を好む人がいますが、体がすでに熱い時期には温かいものを摂りすぎない方が良い場合もあります。冷えが気になる方には、温かい紅茶やシナモンティーを少量ずつ取り入れると良いでしょう。

また、意識して温めるのではなく、**「冷やしすぎない」**ことを心がけるのが夏の薬膳のポイントです。例えば、夏の食事に緑茶を飲むと体を適度に冷やし、暑さを和らげることができます。逆に、体が冷えやすい場合は紅茶を飲むなど、その時の状態や気温に応じた飲み物を選ぶことが理想的です。

4. 熱さと湿気を排出するための調理法

以下のような調理法で、体の熱を冷まし、湿気を体外に排出しやすくします。

  • お茶漬けや素麺、蕎麦:これらの軽めの食事は、消化を助け、体に溜まりがちな湿を排出しやすくします。

  • 漬物や発酵食品:体内の消化を助けつつ、腸内環境を整える効果が期待されます。

まとめ

  • 夏は、食事の基本を「冷やしすぎない」「潤いを保つ」「湿気を排出する」に置き、体の状態を整えます。

  • ジュースや寒天寄せは夏の潤い補給として適していますが、湿が多い時期には控えることも大切です。

  • 体の熱を取り除くためには寒天などの涼性食材をうまく使い、アイスクリームなど湿が溜まりやすいものは控えめにしましょう。

これらを意識しながら、さっぱりした食事を取り入れると、暑い夏をより快適に過ごせます。

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