【シロップ漢方】婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)で婦人科疾患改善!

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)は、補血と血行促進に特化した漢方薬であり、特に女性の体質改善や婦人科系のトラブルに広く使用されています。

その主成分の約70%が当帰で構成され、血虚や気血両虚(気と血の不足)を改善することで、全身のエネルギーと潤いを補い、冷えや月経不順などの女性特有の症状の緩和に効果を発揮します。

以下に、その構成成分と働きについてさらに詳しく説明します。
※病院では処方されません。イスクラ産業(パンダのマーク)の漢方薬局で購入できます。漢方薬剤師の方に相談のうえ購入することをお勧めします。

婦宝当帰膠の主要な成分とその作用

  1. 当帰(とうき)

    • 婦宝当帰膠の約7割を占める主成分で、補血と血行促進の効果が強力です。当帰には特に血を補う効果があり、血液が不足しがちな女性の体質改善に役立ちます。血行不良や冷え性の改善、生理不順や月経痛の緩和にも効果的です。

    • また、当帰には鎮静作用もあり、精神的な安定を保ち、ストレスや不安の軽減に寄与します。

  2. 地黄(じおう)

    • 補血作用とともに体を潤す「滋陰(じいん)」の作用を持ちます。皮膚や粘膜の乾燥を防ぎ、潤いを保つ働きがあるため、乾燥肌や体内の潤い不足に効果的です。また、血液循環を促進し、冷えやむくみの改善にも役立ちます。

  3. 川芎(せんきゅう)

    • 血行促進に優れており、体の冷えを取り除き、体温を温める効果があります。また、鎮痛作用があり、月経痛や頭痛など、血行不良に伴う痛みを和らげるのに有効です。

  4. 芍薬(しゃくやく)

    • 補血・緩和作用を持ち、筋肉のこわばりや痛みを和らげます。芍薬は「女性のための薬」とも呼ばれ、特に月経痛や生理前の腹痛の緩和に使われます。筋肉や血管をリラックスさせ、血行を改善する効果もあります。

  5. 黄耆(おうぎ)

    • 補気作用があり、特に肺や消化器系を強化してエネルギーを補います。血を補う他の生薬の働きを支える役割も果たし、体力の向上や免疫力の強化に役立ちます。※肺気虚の生薬。

  6. 党参(とうじん)

    • 補気と消化器の強化に役立ち、全身のエネルギーを向上させます。貧血や体力の低下を改善し、体力を補うとともに、消化吸収を助けることで、体全体の栄養状態を向上させます。

  7. 茯苓(ぶくりょう)

    • 消化器系の調整と余分な水分の排出をサポートします。茯苓には利尿作用があり、むくみを改善し、消化機能を整え、胃腸の働きをサポートする効果もあります。

  8. 甘草(かんぞう)

    • 甘草は調和作用を持ち、他の生薬の効果を安定させます。また、軽度の鎮痛・鎮静作用もあり、気血の流れをスムーズにします。さらに、消化器系のサポートも行い、補血や補気の働きをより効果的にする役割があります。

  9. 阿膠(あきょう)

    • 補血と滋陰(潤いを補う)作用が強く、特に血虚による乾燥肌や体の潤い不足を補います。また、止血効果もあり、月経不順や過多月経の改善にも効果的です。

婦宝当帰膠の効果と適応症状

婦宝当帰膠は、特に女性の血液不足や冷え、疲労感など、いわゆる「血虚」による症状に効果を発揮します。主な適応症状は以下の通りです:

  1. 血虚:血が不足している状態で、顔色が悪く、疲れやすい、めまい、冷えなどの症状が現れます。婦宝当帰膠は補血作用が強力で、血虚を改善し、全身に栄養を供給するサポートを行います。

  2. 気血両虚:気(エネルギー)と血がともに不足している状態です。気血両虚の症状としては、疲労感や倦怠感、息切れ、貧血、冷え、むくみなどがあり、婦宝当帰膠はこれらの状態を改善します。

  3. 婦人科系の不調:特に生理不順や月経痛、過多月経、更年期障害など、血行不良や血虚が関連する婦人科のトラブルに用いられます。当帰が豊富に含まれているため、月経に伴う不快感を軽減し、女性特有の不調をサポートします。

  4. 冷え性:体の冷えが血行不良や血液の不足から来ている場合に、婦宝当帰膠は効果的です。当帰や川芎の血行促進作用が冷えを改善し、体を温める助けになります。

  5. 精神的な不安やストレス:当帰や阿膠、甘草などの鎮静・安神作用が、ストレスや不安を和らげ、心を落ち着かせる効果も期待できます。気分の落ち込みやイライラを緩和し、精神の安定をサポートします。

使用上の注意

婦宝当帰膠は非常に当帰の含有量が多いため、以下の点に留意して使用することが推奨されます。

  • 胃腸が弱い方:補血・活血作用が強力であるため、胃腸が弱い方には負担がかかる可能性があります。胃腸が弱く、消化不良や下痢を起こしやすい方は、少量から使用を始めるか、専門家の指示を仰ぐことが望ましいです。

  • 過剰摂取のリスク:当帰を多く含むため、過剰摂取により血行が過剰に促進される場合があります。適量を守り、長期にわたる服用の場合も医師のアドバイスに従うことが重要です。

  • 他の漢方薬との併用:婦宝当帰膠は、補血や活血を目的とする他の漢方薬(例:十全大補湯など)と併用すると効果が強く出ることがあるため、併用の際は専門家に相談することが勧められます。

十全大補湯との違い

婦宝当帰膠は、十全大補湯と同じく補気・補血を目的としていますが、主成分の多くが当帰に偏っていることが最大の違いです。婦宝当帰膠は補血と活血に特化しており、特に婦人科系の症状改善に適しています。対して、十全大補湯は全体的にバランスの取れた補気補血作用を持ち、広く虚弱体質や疲労回復に用いられます。

まとめ

婦宝当帰膠は、女性特有の血虚や気血両虚を改善するために特化された漢方薬で、特に当帰を主成分として補血と活血に強力な効果を発揮します。婦人科系の不調、冷え性、疲労感、精神的な不安の改善に適しており、補血漢方薬として非常に優れた効能を持っています。しかし、胃腸が弱い方や他の漢方薬と併用する際には注意が必要です。


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