【消化器系をサポート!】脾の機能を改善する生薬!

脾の機能を改善する生薬は、それぞれ特有の作用を持ち、脾を支えることで消化器系全体のバランスを整えます。以下に、各生薬の科名を踏まえ、より詳しい解説をいたします。

1. 大棗(たいそう)

  • 科名: クロウメモドキ科

  • 作用: 大棗は脾を補強し、気を養います。特に、胃腸の働きを助け、血を養いながら体全体を温める効果があります。甘味と温性を持つため、消化器系を穏やかにサポートし、他の生薬の作用を調和させます。

  • 特徴: 胃腸が弱い人に適しており、気力が不足している状態に用いられます。

2. 人参(にんじん)

  • 科名: ウコギ科

  • 作用: 気を補い、特に脾と肺を強化する効果があります。消化不良や倦怠感を改善し、身体のエネルギー生産を促進します。滋養強壮の生薬として知られ、長期の疲労や虚弱体質に有効です。

  • 特徴: 血糖値を調節する作用もあり、体力が低下した際に用いられます。

3. 白朮(びゃくじゅつ)

  • 科名: キク科

  • 作用: 脾を強化し、余分な湿気を取り除くことで、消化器系を健やかにします。特に利水作用があり、むくみや水分滞留を解消します。また、下痢や食欲不振に対して効果があります。

  • 特徴: 体を温める性質があり、冷えが原因で消化不良を起こしている場合に有効です。

4. 山薬(さんやく)

  • 科名: ヤマノイモ科

  • 作用: 山薬は脾と腎を補い、滋養効果を持ちます。特に、消化吸収を助けながら体液を保つ作用があり、長期間の虚弱状態に対応します。エネルギーと潤いを同時に補うため、消耗した体を回復させます。

  • 特徴: 消化力を向上させ、慢性疲労や免疫力の低下に使われます。

5. 甘草(かんぞう)

  • 科名: マメ科

  • 作用: 他の生薬を調和させ、薬効を安定させる役割を持ちます。脾胃を補い、消化機能を支えることで胃腸を健やかにします。また、抗炎症作用があり、胃の不快感を和らげます。

  • 特徴: 過敏性胃腸症候群や胃の痛みなどにも使用されます。

6. 黄耆(おうぎ)

  • 科名: マメ科

  • 作用: 気を補い、免疫力を高めます。特に脾を強化することで、体表を保護し、汗のコントロールやむくみの改善に効果的です。体力が不足したときや、疲れやすい人に用いられます。

  • 特徴: 滋養と強壮の効果があり、長期間の体力低下に用います。

7. 山椒(さんしょう)

  • 科名: ミカン科

  • 作用: 消化器を温め、寒湿を取り除く効果があります。食欲不振や胃腸の冷えを改善し、消化機能を高めます。辛味成分が胃腸の動きを活発にするため、消化不良や食べ物が滞っている状態を改善します。

  • 特徴: 香りが良く、胃を温める性質が強いです。

8. 扁豆(へんとう)

  • 科名: マメ科

  • 作用: 脾を補い、湿気を除去することで、消化器系を助けます。下痢やむくみを改善し、全体的な消化機能をサポートします。胃腸が冷えやすい人や、消化不良が続いている場合に適しています。

  • 特徴: 滋養効果があり、長期的に消化器系を支える役割があります。


脾を改善する主な漢方薬の解説

  1. 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):

    • 作用: 体を温め、湿気を除去し、脾胃の機能を改善します。冷えによる消化不良や、慢性的な関節痛にも用いられます。

  2. 平胃散(へいいさん):

    • 作用: 胃腸の働きを助け、余分な湿気を取り除きます。特に胃のもたれや食欲不振、消化不良に有効です。

  3. 香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう):

    • 作用: 脾胃を補い、気の巡りを改善します。消化器系が弱く、ストレスによる胃痛や消化不良に適しています。

  4. 人参湯(にんじんとう):

    • 作用: 気を補い、胃腸の働きを高める基本的な漢方薬です。虚弱体質や食欲不振、下痢に用いられます。

  5. 人参養栄湯(にんじんようえいとう):

    • 作用: 滋養と強壮に優れ、体力の回復を促します。特に、慢性的な疲労や免疫力の低下を改善します。

  6. 大建中湯(だいけんちゅうとう):

    • 作用: 腸を温め、冷えによる痛みを和らげます。胃腸の冷えや消化不良に有効です。

  7. 小建中湯(しょうけんちゅうとう):

    • 作用: 胃腸を温め、消化機能をサポートします。子供や体力の弱い人にも適した優しい漢方薬です。

  8. 四君子湯(しくんしとう):

    • 作用: 脾気虚を改善する基本の漢方薬で、消化機能を高めます。慢性的な疲労や胃の弱さに使用します。

  9. 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):

    • 作用: 気を補い、内臓を引き上げる作用があります。脾の働きを強化し、全身のエネルギーを回復させます。

  10. 参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん):

    • 作用: 脾の機能を調整し、胃腸の弱さや下痢を改善します。滋養効果もあり、体力回復に役立ちます。

  11. 麦門冬湯(ばくもんどうとう):

    • 作用: 胃を潤し、咳を和らげます。乾燥による胃の不快感に効果があります。

  12. 小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう):

    • 作用: 吐き気や胃の不調を和らげるために用いられます。胃の働きを助けながら、湿気を除去します。

これらの生薬や漢方薬を用いることで、脾の機能が改善され、体全体のバランスが整いやすくなります。脾を強化することは、エネルギーを高め、全身の健康を支えるうえで非常に重要です。

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